オーストラリアでプールパーティーに参加していた7歳少女が、足を滑らせて溺れる事故が起きた。楽しいはずのパーティーが一転して命に関わる事態となったが、1人の保護者が心肺蘇生法を行ったおかげで一命を取りとめることができたという。『news.com.au』などが伝えている。

豪ブリスベン在住のリーナ・アリちゃん(Leenah Ali、7)は今年10月、友人の家で行われたパーティーに参加しプールで遊んでいたところ、突然足を滑らせて溺れてしまった。

当時のプールでは8人の子供が遊んでおり、常に監視されていたにもかかわらず一瞬のうちに沈んでいったリーナちゃんに、最初は誰も気づかなかったという。

そして心停止状態だったリーナちゃんを発見したある保護者が、救急隊員の指示のもと心肺蘇生法を行った結果、幸いにもリーナちゃんは一命を取りとめることができた。

心肺蘇生法を行ったジェイミー・マーティンさん(Jaime Martin)は、のちにこう振り返っている。

救急車が来るまでの間、電話越しに『胸を強く速く30回押し続けたら、2回人工呼吸をしてください』と指示を受けて、その通りに実行しました。以前に心肺蘇生法の訓練を受けたことがあったので、条件反射ですぐに対応できたのだと思います。脈がないと分かればすぐに心臓マッサージを開始する―基本的にそれだけのことで、他のことを考える余裕はありませんでした。」

要請があってから7分後に現場に到着した救急隊員がさらに心肺蘇生を続け、酸素が脳に届くようにチューブを取りつけた。そして心停止から10分後にリーナちゃんの心拍が再開し、鎮静剤が投与された後に病院へ搬送された。

その後も人工呼吸器が装着されたまま意識不明の状態が続いていたリーナちゃんだったが、4日後に奇跡的に意識を取り戻したという。

リーナちゃんの母親アイシャ・ダウドさん(Aysha Daud)は、病院での様子についてこのように明かした。

「娘が意識を取り戻すまでの4日間は本当に辛く、耐え難い時間でした。本当に娘は大丈夫なのか、脳の損傷や障がいが残ったりしないかと心配になって…。そのことは医師からも聞いていましたから。娘が最初に目を覚ました時、『どうして赤ちゃんの病院にいるの? 私は何歳なの?』ととても混乱していました。」

「その後は少しずつ回復に向かって、今では学校に通えるようになりました。娘はまだプールに飛び込める状態ではありませんが、今回の出来事をきっかけに私は心肺蘇生法を学ぼうと思っています。なぜならそれを知っているかどうかで結果が違ってくるからです。心肺蘇生が必要な人を助けてあげられるようにその方法を知っておくのは非常に大切なことです。」

そして12月2日、リーナちゃんは命を救ってくれたジェイミーさんらに再会し元気な姿を見せた。

笑顔のリーナちゃんとの再会を喜んだジェイミーさんは、メディアのインタビューにこう語った。

「私にはどうしても今日が必要でした。私の記憶に残っている姿ではなく、元気なリーナちゃんを見る必要があったのです。このような良い結果を迎えられて本当に嬉しいし、新しい思い出ができて本当に良かったです。」

またリーナちゃんを病院に搬送した救急隊員のハンナ・ゴールケさん(Hannah Gaulke)は、次のように述べている。

「正直なところ、ジェイミーさんの助けがなければどうなっていたか分かりません。リーナちゃんは無事に回復して学校に通うようになったと聞いています。いつも通りの笑顔で、いつも通り友達と触れ合うこと、それは彼女がただ心を取り戻したのではなく、実際に自分の人生を歩んでいるということです。このことはとても嬉しく思っています。本当に良かったです。」

画像は『news.com.au 2021年12月2日付「Leenah Ali, 7, reunited with heroes who pulled her from a pool and revived her」(Photo Alex Druce)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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