セルフレジ

機械が苦手で、「セルフレジはちょっと…」という人は少なくない。そのセルフレジを利用した客が店ともめ、裁判を起こしていたことを、『New York Post』などアメリカのメディアが伝えた。


■合計金額のズレでトラブルに

2016年11月のこと、アメリカ・アラバマ州で暮らす女性が家族と一緒に買い出しに行った。支払いはセルフレジで済ますことにしたが、あいにく機械の調子が悪く、店のスタッフにも助けてもらうはめになったという。

ようやくお金を払い店を出ようとした女性だったが、スタッフに呼び止められ、小さな部屋に通されて「万引きしたでしょう」と責められた。

そこで計5,000円ほどの未払いが発覚。驚いた女性は事情を説明し、「お金を払えば問題は解決だ」「そもそも万引きではなくただのミスだったのだから…」と考えたが、警察署に連れて行かれ写真(マグショット)まで撮られるはめになった。


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■逆に提訴した女性

店側はセルフレジ近くの防犯カメラ映像を提出せず、出廷もしなかったことから起訴は取り下げに。しかしこの一件ゆえに女性の評判には傷がつき、仕事探しにも影響が出るようになった。

しかも女性のもとには、店が雇った弁護士から2万円を超える解決金を求める通知が何度も届くようになり、「応じないのなら法的措置を講じる」という文書まで送りつけられたという。

これに憤った女性は、「無実の客を万引きで訴えている」「さらに金を払わせようとする行為を繰り返している」として、店を相手取って裁判を起こした。

■多額の損害賠償

女性はこの件で店を訴えたが、新型コロナウイルスの感染拡大もあり予想以上に時間がかかり、長く悩み続けることになった。それでも結果は女性が勝ち、店側には2億円を超える賠償金の支払いが命じられた。

店側は、「評決は証拠に基づくべき」「しかも賠償金の額についても法律が認める額以上となっている」として、異議を申し立てる予定だという。

セルフレジの導入は、少なくともこの店では利便性をもたらす以上に、大きなトラブルの原因になってしまったようだ。


■「セルフレジに抵抗あり」4人に1人

しらべぇ編集部が全国10〜60代の男女2,168名を対象に調査したところ、全体で24.4%が「セルフレジを利用することに抵抗がある」と回答した。

セルフレジに抵抗がある人の割合

使いなれない人、また使った経験がない人が「操作を間違えそう」と心配になるのも無理はない。そしてセルフレジが「壊れない」という保証はない。

この女性が使ったレジも調子が悪く、そのせいで万引き犯だと責められ評判にも傷がついた。多額の賠償金が支払われても、「本当は盗ったんじゃないの?」という疑い、またマグショットまで撮られた屈辱は、これからも尾を引きそうだ。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ 調査期間:2020年7月3日~2020年7月7日
対象:全国10代~60代の男女2,168名(有効回答数)

セルフレジで万引き疑われた女性が憤慨 提訴した店に2億円超の賠償金支払い命令