宝島社が毎年発行するマンガガイド本このマンガがすごい! 2022』が、12月9日(木)に発売される。それに先駆け12月7日(火)、同企画の公式サイトにて男女ごとのランキングに選出された上位10本ずつの作品が公開。「オトコ編」1位が藤本タツキ氏によるルックバック、「オンナ編」1位がたらちねジョン氏による『海が走るエンドロール』と発表された。

(画像は「このマンガがすごい!」公式サイトより)

 『ルックバック』は、2021年7月に少年ジャンプ+に掲載された140ページを超える短編読切作品。「絵を描く」行為を通じて心を通わすふたりの少女の交流と成長を軸にした物語展開と、読む者を惹きつける圧倒的な筆致で話題をさらった。公開から2日弱で閲覧数は400万回を超えわずか2ヵ月という異例のスピードで単行本が発売されるなど大きな注目を集めている。

(画像は「このマンガがすごい!」公式サイトより)

 「少年ジャンプ+」では今回の受賞を記念し、期間限定(終了日は不明)で『ルックバック』の冒頭48ページを無料公開している。同作の内容については弊誌で詳細なレビューを掲載しているので、興味を持たれた方はそちらも参照されたい。なお作者の藤本氏は昨年のこのマンガがすごい! 2021』においても、チェンソーマンで同ランキングのトップを飾っている。

(画像は「このマンガがすごい!」公式サイトより)

 一方の『海が走るエンドロール』は、「月刊ミステリーボニータで連載中の「映画制作」をテーマにした作品。65歳を過ぎて夫と死別した主人公・うみ子が、映像専攻の美大生・海(カイ)との出会いをきっかけに「映画を撮りたい」という内なる衝動に目覚めていく。同作については受賞を記念したプロモーション映像が公開された。

 また、「オトコ編」では魚豊氏によるチ。-地球の運動について-松本直也氏による怪獣8号が、「オンナ編」ではゆざきさかおみ氏による『作りたい女と食べたい女』よしながふみ氏による『大奥』が、それぞれ2位と3位に選ばれた。

 『このマンガがすごい! 2022』には、1位に選ばれた2作品の描き下ろしイラストや各著者へのインタビューも掲載。三浦建太郎氏の遺作となったベルセルク特集のほか、人気マンガ家や有名人が語るお薦めマンガの紹介なども収録されており、販売価格は880円(税込)となる予定だ。

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週刊少年ジャンプ誌上において始まりから第一部の完結まで絶えず異彩を放ち続けた『チェンソーマン』の作者の最新作ということでも公開前から期待を集めていた『ルックバック』は、なぜこんなにも多くの読者の心を揺さぶるのだろうか? 公開された直後に読み、「心を揺さぶられる」を通り越して完全に“ノックアウト”された人間として、この作品についての私なりの考えを述べてみたい。

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