カミソリ・かみそり・刃

アメリカ・ニューハンプシャー州に住む男が、スーパーで売られているピザ生地の中にかみそりを埋め込んだとして、大規模なリコール(自主回収)が発生。関連店舗に約23万ドル(約2,600万円)の被害が発生したと、『The New York Times』『Boston.com』などの海外メディアが報じている。


■防犯カメラに犯行の様子

異物混入事件が起きたのは、メイン州スーパーマーケットハンナフォード』。逮捕されたニコラス・ミッチェルは、2020年10月に店で売られているピザ生地の中に、カミソリを入れたことを認めている。

監視カメラの映像には、冷凍ケースに陳列しているピザ生地の中に細工をしているニコラスの姿、そのピザ生地を購入せずにそのまま退店した記録が残っている。


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■けが人なしでも被害額は…

誰かがカミソリ入りのピザを知らずに口にすれば惨事だったが、この一件による負傷者は出なかった。埋め込まれたカミソリは1人の店員と3人の客によって発見され、事故は未然に防がれた。

しかしこの悪質な嫌がらせの結果、ハンナフォードは店で取り扱うすべての生地とチーズ製品を回収・廃棄しなければならなかった。さらにその影響は、他の州に展開する183店舗にまで及んだという。

■元勤務先への恨み

この件でニコラスは4年9ヶ月の懲役に加え、店が被った被害額の23万ドル(約2,600万円)を賠償金として支払うよう命じられた。

裁判の資料によると、ニコラスは以前にハンナフォードに商品を卸す生地の製造会社で働いていたが、パンデミックの影響により心身を病み、会社を解雇されている。

連邦裁判所で行われた判決の際は涙を流しながら、「誰にもけがをさせるつもりはなく、以前の雇い主を混乱させるのが目的だった」とコメントしている。だが、多くの人を巻き込んだいたずらの代償は、高くついてしまった。


■対岸の火事ではない

けが人が出なかったことは不幸中の幸いと言えるが、裁判に関わった判事は「ニコラスの行動によって誰も負傷しなかったのは偶然の問題」とコメント。一歩間違えれば、大惨事になっていた可能性は十分にあるとした。

食品への異物混入は、日本でも度々大きなニュースとして取り上げられており、近年ではバイト従業員などの悪ふざけがSNSを通じて拡散する「バイトテロ」という言葉も生まれている。

食品の安心・安全は、多くの人の努力の上に成り立っている。たとえ誰かに危害を加える目的ではないとしても、いたずらは絶対にやめるべきだ。

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(文/Sirabee 編集部・びやじま

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