チャンピオンズリーグ(CL)のグループG最終節の2試合が8日に行われ、リールとレッドブルザルツブルクが決勝トーナメント進出を決めた。

本命不在となったグループGは今グループステージで唯一最終節までに全チームの順位がひとつも確定していない、近年稀に見る大混戦に。

そして、この最終節では最下位のヴォルフスブルク(勝ち点5)と、首位のリール(勝ち点8)。2位のレッドブルザルツブルク(勝ち点7)と、3位のセビージャ(勝ち点6)が運命の大一番に臨んだ。

レッドブル・アレーナで行われたザルツブルクvsセビージャは、ホームのザルツブルクが1-0で勝利した。

オーストリア勢史上初の決勝トーナメント進出を目指したザルツブルクと、グループ本命に挙げられながらも苦戦続きだったセビージャによる直接対決。

試合は引き分けでも勝ち抜けるホームチームが慎重な入りを見せたことで、ボールを握るセビージャが攻勢を仕掛ける展開に。ザルツブルクの集中した守備を前に流れの中で攻撃の糸口を見つけられないセビージャは、セットプレーに活路を見いだすが、クンデのヘディングシュートが枠を外れるなど、前半の内にゴールをこじ開けられない。

それでも、迎えた後半立ち上がりにはセビージャビッグチャンス。48分、右サイドからのクロスをボックス内のラキティッチがヘディングでコースを変えると、これをゴール前のムニルがダイビングヘッドで合わすが、惜しくもクロスバーを叩いた。

このピンチを凌いだザルツブルクは逆にこの試合最初の決定機をゴールに結びつける。50分、カウンターからボックス左に抜け出したアデイェミが高速のグラウンダークロスを入れると、ゴール前にタイミング良く走り込んできたオカフォルがワンタッチで蹴り込んだ。

拙い試合運びで逆転突破には2点が必要となったセビージャだが、ターゲットマンのラファ・ミルをムニルに代えて反撃に打って出た中でアクシデントが発生。64分、すでに1枚カードをもらっていたジョルダンがアデイェミのカウンターをファウルで止めて2枚目のカードを受け、無念の退場となった。

これでビハインドに数的不利まで背負ったセビージャは積極的に交代カードを切っていくが、完全に逃げ切り態勢に入ったホームチームを前にゴールをこじ開けることができなかった。

この結果、本命セビージャとの直接対決を制したザルツブルクがクラブ史上初の決勝トーナメント進出を決めた。

また、フォルクスワーゲン・アレーナで行われたヴォルフスブルクvsリールは、アウェイのリールが1-3で勝利した。

グループ最下位からの逆転突破を図ったヴォルフスブルクと、引き分け以上で突破が決まる首位のリールによる一戦。

試合はリールが早い時間帯にスコアを動かす。相手CKのロングカウンターから右サイドをドリブルで独走したイコネがボックス内にフリーで走り込む味方へ丁寧なラストパスを送ると、これを主砲ブラク・ユルマズがきっちりゴールネットへ流し込んだ。

以降はホームチームの反撃に晒されるも1点リードで試合を折り返したリールは、68分に投入したアンヘルゴメスの投入が完璧に嵌る。まずは72分、ペナルティアーク付近で味方から足元にパスを受けた元ユナイテッドMFは冷静にワンタッチでゴール前に走り込むデイビッドに繋ぐと、若きエースが右ポストの内側を叩くシュートを流し込んで追加点を奪取。さらに、アンヘルゴメスは78分にもオナナの高い位置でのボール奪取からイコネを経由したボールをボックス内で冷静に流し込み、トドメの3点目を奪って見せた。

その後、後半終了間際にシュテフェンに1点を返されたが、2点差を維持して逃げ切ったリールが3連勝での首位通過を決めている。

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