「帰宅すると飛びついてくるはずの愛犬がこない」…一抹の不安を胸に家に入ると、なんと愛犬はガラス越しピューマと対峙していた。ピューマが家に入ってこられないと分かっていても、大きな肉食動物を目の前にした飼い主は「本当に恐ろしかった」と当時の心境を明かしている。『Idaho Statesman』などが報じた。

米コロラド州グランド郡グランビー湖近くの自然豊かな場所に住むサラ・ボールさん(Sarah Bole)は、自宅の庭を様々な野生動物が通りかかることに慣れていた。しかし今月2日、いつものように仕事から帰宅した際、さすがのサラさんも驚く動物の訪問を受けた。

「愛犬が私の帰宅を出迎えもせず、中庭の方のドアの前に座り込んでいるので何かおかしいと思ったんです。それでふと目線を上げると、中庭でピューマがじっとしていたのです。」

サラさんは驚きながらも、手元にあったスマホで動画の撮影を開始した。サラさんの愛犬“ダッシュDash)”がガラスドアの前に座り込み、外にいるピューマの方を見つめている。

「とても大きなピューマが中庭にいるの」とサラさんは説明しており、その声は恐怖で震えているのが分かる。そして30秒ほどにらみ合いが続いた後、ピューマゆっくりダッシュの方へ近づいてきた。

サラさんは「どうしよう。どうしよう。ダッシュ! 下がって!」とパニック状態でダッシュに呼びかけた。ガラスがあるとはいえ、大きなピューマが目の前に現れれば誰もがパニックになるだろう。「もしピューマが体当たりでもしてきたら」「もし偶然にも取手を押してドアが開いてしまったら」などサラさんも考えていたに違いない。

ピューマガラス越しに前足でダッシュに触れようとすると、サラさんは「ダッシュ! こっちに来るの!」と緊迫した声でダッシュを呼んだ。しかしそんなサラさんをよそに、ダッシュは非常に落ち着いており、むしろ尻尾を振って楽しそうにしている。

その後ダッシュに触れることができないと分かったピューマは、家の中で動画を撮影していたサラさんの方をじっと見つめた。サラさんの「こっちを見てる。体が震えるわ」という言葉からも当時の恐怖が伝わってくる。

そしてピューマはガラスのせいで何もできないと分かったのか、静かに奥の林の中へ姿を消した。ピューマの去り際、ダッシュは名残惜しそうに尻尾を振りながら吠えていた。

サラさんは当時の心境について、「今まで見た中で最も美しい動物ではありましたが、それと同時にとても力強く恐ろしいとも感じました」と明かしている。

「何か大きな音を立ててピューマを追い払えばよかったと思います。冷静になればピューマが家の中に入ってくるはずがないと分かりますが、わずか5フィート(約1.5メートル)先でガラスを叩いていたんです…」ともサラさんは話しており、当時はあまりの恐怖で頭が真っ白になり、それどころではなかったという。

翌日にコロラド州公園・野生生物局「Colorado Parks and Wildlife」が、サラさんが撮影した動画や周辺に設置していた遠隔操作カメラを分析した結果、今回の遭遇は“非常に珍しい”と判断した。

野生動物管理官のセレナ・ロクサンドさん(Serena Rocksund)は「ピューマはガラスに映った自分の姿に興味を持った可能性が高いです。家の中にいたサラさんが見えたとは思いませんが、何かが動いているのを感じていたかもしれません。動画の中でピューマが犬に攻撃しようとする動きは見られず、何よりも好奇心旺盛に見えましたね」と語っている。

ピューマとの珍しい遭遇を捉えた映像を見た人々からは、「これは怖いよ」「これドアにカギがかかってなかったら恐ろしいね」「ダッシュは勇敢な子だよ」「この状況で尻尾を振っているダッシュに笑ってしまう」「ダッシュは鋼の心の持ち主だ」など多数のコメントが届いている。

画像は『Sarah Bole 2021年12月3日付Facebook「I came home from work tonight and walked to see this on the patio.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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