艦名由来の人物の故郷で式典が行われました。

故人にちなみ合言葉は「Go For Broke」(当たって砕けろ)

アメリカ海軍は2021年12月8日(木)、ハワイ州真珠湾にあるパールハーバー・ヒッカム統合基地において、イージス駆逐艦「ダニエル・イノウエ」の就役式典を開催したと発表しました。

艦名の由来は、2012(平成24)年に亡くなった元アメリカ合衆国上院仮議長、ダニエル・イノウエ氏。彼はハワイ出身の日系二世として、第2次世界大戦時はアメリカ陸軍の兵士としてヨーロッパ戦線に従軍、大戦後は政治家に転身し、日系人初の上下両院議員として活躍しました。

そのような功績から戦闘艦艇にその名が付与されたのですが、旧日本海軍海上自衛隊には人名由来の艦名を持つ艦船はないため、同艦は日本人を含む初の日系の人名が付いた戦闘艦艇になります。

「ダニエル・イノウエ」は、アーレイバーク級イージス駆逐艦の68番艦として建造された船で、原型、いわゆるフライトIといわれる初期建造艦と比べて、多くの改良が施されたフライトIIAと呼ばれるタイプに属します。イージスシステムは最新型の「ベースライン9」を搭載、優れた艦隊防空能力以外にも弾道ミサイル対処能力が向上しているのが特徴です。

今回の就役に際し、海軍省(国防総省傘下)トップのカルロス・デル・トロ海軍長官はメッセージを寄せており、そのなかで「故イノウエ元議員は、人生のすべてを公のためにささげた」と強調し、「同艦の乗組員はその艦名にふさわしい品位をもって職務にあたって欲しい」と述べています。

なお、今後イージス駆逐艦「ダニエル・イノウエ」は、アメリカ海軍太平洋艦隊所属として運用されます。

アメリカ海軍の最新鋭イージス駆逐艦「ダニエル・イノウエ」(画像:アメリカ海軍)。