自動車窃盗

警察庁によると、2020年の自動車窃盗件数は、5,210件でピーク時の12分の1以下まで減少。しかし、特定の地域では依然として多発している実態がある。

2019年、2020年ともに件数第一位から第六位までが同一府県で、茨城、大阪、千葉、愛知、埼玉、神奈川の順となっている。そんな中、自動車学校が新手の自動車窃盗方法について、警鐘を鳴らしている。

【画像】新たな車両窃盗手口


■ペットボトルを使った手口

烏山自動車学校(栃木県那須烏山市)は、公式Twitter上に「これは知らなかった」とペットボトルを使った手口を紹介。まず何者かが助手席側の後輪にペットボトルを挟んで置く。

運転手の走行開始ともに後方で異音がするため、エンジンをかけたまま車を降りて確かめる。その間に窃盗犯が車に乗り込み、逃げる手口だ。


関連記事:前科アリの男が駐車違反で警察から逃走 局部を切断し車から投げ捨てる謎行動に

■車両の周囲を見渡す

自動車学校担当者は、しらべぇ編集部の取材に対して「とくに不特定多数の人が使う駐車場などで、この手口が使われているようだ」と話す。また、「自宅の駐車場を下見して、待ち伏せされるケースも考えられる」と語った。

実際に担当者がペットボトルを挟んで走行したところ、音楽などをかけていない状態では異音が確認できたという。「車に乗り込む前に異常がないか車両の周囲を見渡すことが必要。このことは教習でも教えている。万が一子供がいたりした場合でも、事前発見につながる」と述べた。

■海外に不正輸出

警察庁国土交通省などと民間19団体で構成されている「自動車盗難合同プロジェクトチーム」によると、自動車窃盗は犯罪グループが組織的に関与し、犯行に及んでいるケースがみられるという。

盗んだ車両をヤードに運んだ上で解体し、中古部品として海外に不正輸出されているケースが多数存在。また、盗んだナンバープレートを別の車両に取り付けて、犯罪に使用されるケースもある。


■トヨタ車が上位

2020年に盗まれた車種第一位はプリウスで、以下ランドクルーザーレクサスLX、レクサスLS、クラウンと続く。最近は鍵をかけていても、車両外部から何らかの機器を使い、車のネットワークに侵入し、システムごと乗っ取る「CANインベーダー」窃盗も目立ってきた。

このようなケースでは、車のコンピューターとは連動しない防犯機器を、後から付けることが有効な対策になり得るという。


■新たな車両窃盗手口

・合わせて読みたい→東京外環道でキャンピングカー横転し消防10台出動 消防は「2人を救急搬送」

(取材・文/Sirabee 編集部・おのっち

自動車学校が「新手の自動車窃盗」に警鐘 ペットボトルが使われる手口とは