ザ・ローリング・ストーンズによる【ノー・フィルター・ツアー】の第4部が閉幕し、米ビルボード・ツアー・チャート“Billboard Boxscore”に報告された数字によると、全米14公演で577,000枚のチケットが販売され、1億3,090万ドル(約148億円)を得た。これにより、ハリー・スタイルズが記録した9,500万ドル(約107億円)を超え、コロナ禍以降で初めて1億ドルを超えたツアーとなった。

 2021年の【ノー・フィルター・ツアー】は、Concerts West/AEG Presentsがプロモーションを担当し、1公演あたり平均で41,200枚のチケットを販売し、940万ドル(約10億円)の収入を得た。第1部から4部までの全日程を合わせると、58公演で290万枚のチケットを販売し、5億4650万ドル(約620億円)の収益を達成した。この数字を足すと、ストーンズは30年以上かけて2,780万枚のチケットを販売したことになり、“Boxscore”の総計が25億ドル(約2,838億円)を突破した。[ストーンズが初めて“Boxscore”に報告したツアーは、1989~90年の【スティール・ホイールズ/アーバン・ジャングル・ツアー】だった。このツアーの開幕2公演は、8月31日9月1日に米フィラルフィアのベテランズ・スタジアムで行われ、111,000人の観客を動員して合計320万ドル(現在の為替レートで約3億6,300万円、当時のレートでは約4億3,800万円超)を獲得した。]

 【ノー・フィルター・ツアー】は、当初は2020年の日程で発表・発売されていたが、パンデミックの影響で延期された。開幕公演は2021年9月26日に米ミズーリセントルイスにあるザ・ドーム・アット・アメリカズ・センターで行われ、初日に720万ドル(約8億1,700万円)の収益を上げた。

 2021年の【ノー・フィルター・ツアー】は、米南東部、中西部、西海岸を中心とした13都市のスタジアムで行われ、さらにテキサス州では2回の公演が行われた(11月2日にダラスのコットン・ボウル、11月20日にオースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ)。

 一つの都市で2回公演が行われたのはロサンゼルスだけで、10月14日と17日にイングウッドに新しくオープンしたSoFiスタジアムで行われた。この2公演では81,700枚のチケットが販売され、1,890万ドル(約21億円)の収益を記録、このツアーで最高の収益と最多入場者数を記録した。このスタジアムは、2021年のトップ・スタジアムとなり、最近では、BTSの4つの記録的なコンサートの本拠地となっている(2022年の“Boxscore”チャートにカウントされる)。

 このツアーは、ほかにも1,000万ドル超えの公演が4つある。10月29日にフロリダ州タンパのレイモンド・ジェームス・スタジアムで行われた公演では、1,140万ドル(約12億円)を稼いだ。また、11月6日のラスベガスのアレジアント・スタジアム公演は1,480万ドル(約16億円)、11月11日アトランタメルセデス・ベンツ・スタジアム公演は1,110万ドル(約12億円)と、連続して1,000万ドルを超えている。また、11月20日のオースティン公演は1,010万ドル(約11億円)の売上を記録した。タンパとオースティンでの公演は、それぞれ5万枚以上のチケットが販売されている。

 ラスベガス公演で達成された1,480万ドルの興行収入は、“Boxscore”の30年以上の歴史で、一晩の興行収入としては2番目に高い。これよりも高額だった公演は、カントリー歌手ジョージストレイトの【The Cowboy Rides Away】ツアーの最終日で、2014年6月7日に開催され、1,820万ドルを記録した。この公演にはジェイソン・アルディーンエリック・チャーチ、シェリルクロウケニー・チェズニーも出演した。

 【ノー・フィルター・ツアー】は、年末の“Top Boxscores”ランキングに複数回登場したことで、2021年のNo.1ツアーとトップ・ロック・ツアーに選ばれている。11月の6公演は、2022年のチャートにカウントされる。

 ザ・ローリング・ストーンズは、2017年に初めて【ノー・フィルター・ツアー】を実施し、欧州で14公演を行った。翌年には再び欧州で14公演を行い、2019年には北米で16公演を行った。

ザ・ローリング・ストーンズ、【ノー・フィルター・ツアー】がコロナ禍以降初の1億ドル超えツアーに