中国では近年、「JK制服」と呼ばれる日本の女子高校生風のファッションが流行している。しかし、日本を代表する服装の1つである「着物」については排斥の対象となっていて、中国ではコスプレ感覚で着物を着た人が罵られるトラブルがたびたび報じられている。中国のQ&Aサイト・知乎にこのほど、「中国人はJK制服を受け入れているのに、なぜ着物は受け入れられないのか」と題するスレッドが立てられ、中国人ユーザーらに意見を求めている。

 スレッドには多くの回答が寄せられたが、内容は主に3つに分かれていた。まずは「着物は日本色が濃い」という意見だ。「着物は日本の伝統的な民族衣装だ」、「日中戦争を思い出すから」などの意見があり、「JK制服は戦時中に無かったから問題ない」という声もあった。言い換えれば、愛国精神ゆえに受け入れられないということだろう。

 また、着物と異なり「JK制服は日本を代表する服装だとは言い切れないから」との回答も目立った。セーラー服英国海軍がルーツとされており、ブレザーの制服も西洋の服装を真似たものであるとし、それゆえJK制服は排斥の対象とならないのだとした。

 別の意見は、「JK制服は良いのに着物がNGというのはおかしい」と疑問を持つものだった。「ただ人を罵りたいだけ。何を着ているかは関係ない」という人や、「味の素も日本人が発明したのに中国人は受け入れているよね」、「JK制服は生足が拝めるから文句を言う男性はいない」という人もいて、ただの言いがかりだとの意見が意外と多かった。なかには、「美しいから、着物を呉服店で仕立ててみようと思っている」という人もいた。

 スレッドを見る限り、中国人自身も改めて聞かれると、なぜJK制服は良いのに着物を着ると反感を買うのかよく分からないようだ。ただ着物についていえば、美しいので一度は着てみたいと思っている女性は多いはずだが、なかなか機会がなく、「罵られる」リスクを冒してまで着ようとは思わない、というのが本当のところなのかもしれない。着物に興味がある人は、いつか日本旅行で体験してもらいたいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

「JK制服」は受け入れた中国人、「着物」はなぜダメなのか=中国