4月も中旬にさしかかり、新入社員たちの胸には様々な思いが去来している。キャリコネが4月7日に配信した記事「若いって素晴らしい! 入社1週間で『新入社員来ない』続出」には、ニコニコニュースで1000近いコメントが寄せられた。

記事では、入社4日で辞めた3人の新入社員を紹介。会社からすると「こらえ性がなさすぎる困った若者」だが、コメントの中にも、1週間ではあまりにも早すぎるという厳しい意見があった。

「嫌なことあったらすぐ逃げるって最悪だろ」
「3年まではサビ残は仕方ない気はする。利益生み出してるわけでもないのにお金貰えるんだから」
「その就活で落とされたやつの身にもなってみろ!」
雇用契約に違反してるなら「会社の迷惑は関係ない」

確かに「新卒入社してすぐに退社」という経歴を嫌う人は少なくない。石の上にも3年という諺もあり、しばらくは我慢して社会人としての経験を積まなければ、その後のキャリアに悪影響を及ぼすというわけだ。

転職市場では、求職者が「最初の3年でどういう教育を受けたか」を重視する大手企業も多い。フレッシャーズの調査でも、「入社したら3年は辞めずに続けた方がいい」と考える社会人は40.5%を占めた。

一方で、働く意味が感じられない会社にしがみつく必要はない、と強く信じる人もいる。「最初の3年」が大事なのであれば、貴重な若い時期をおかしな職場で過ごす必要はないともいえる。

記事では、入社前に説明されていなかった「休日出勤」を強要され、4日で退職を決めたAさんの例も紹介したが、これは雇った会社側の責任ではないか、と指摘する人もいた。

「(雇用契約書に)書いてあることと違えば、それは契約違反だからな。会社が迷惑被るとか関係なく辞めて良いと思うよ」
「状況にもよるけど、辞めるのも結構な度胸と体力が必要なはずで、決断や実行に長けてる面もある」

中には、同じような自らの体験を踏まえて、「ブラック(企業)を速攻で辞めて、別の所に就職した今は凄い気楽でいい。居づらい職場に我慢している必要なくね?」とAさんを擁護する人もいる。

「性欲こそが真理だ!」と言わされる謎の講義

「4日で辞めるなんてレアケースだろ?」という書き込みがある中で、ネットには「もう辞めた」「やってらんね」という声が散見されるのも事実だ。はてな匿名ダイアリーには、今週もこんな書き込みがあった。

新社会人ですが、すでに退職しました。理由は上司に不正行為を指示されたためです」
新社会人だが辞めたい。こんな、やりたくもない、やる価値もないような仕事を40年も続けるのかと思うと、目の前に闇が広がっている気になる」

自らも会社を辞め、最近『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった8日で辞めた話』(リンダブックス)を出版した小林リズムさん(23)は、いまの新卒社員についてこう話している。

「やっと内定をもらって就職した会社でも『ここしかない』と思うと辛くなる。イザとなったら辞めてもいい、という選択肢は持っておいたほうがいいと思います。それくらいの気持ちで、気負わずにいってほしいです」

小林さんは広告会社に入社したが、朝6時半から始まる「謎の講義」に参加させられた。講義内容は「ムラムラしてるって言え!」「性欲こそが真理だ!」と言わされるというヒドい内容だった。

さらに知人の美容師も別の会社で、自我を捨てるために、暗闇の部屋の中で「お母さん!」と呼ぶことを強いられたのだそうだ。過酷な就活の中で、そういう会社を選んでしまった新入社員も少なくないかもしれない。

「でも、その会社を選んでしまったのは自分。すべて会社のせいにするのは違うと思います。それに、辞めたからってラクになるわけじゃない。結局、自分次第でどうにかするしかないんです。私は辞めてからそう腹を括ったら、毎日が楽しくなりました」

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