全世界で空前の社会現象を巻き起こしたアクション超大作シリーズの新章『マトリックス レザレクションズ』(12月17日公開)。いよいよあと2日で公開を迎える同作より本編映像と押井守らクリエイターの感想コメントが到着した。

【写真を見る】ネオが乗車しているのは、富士山行きの新幹線?

衝撃的な設定やストーリー、そして斬新な映像&撮影手法でアクション映画の概念を塗り替えた「マトリックス」シリーズ。その1作目の続編となる本作では、もし世界がまだ仮想世界=マトリックスに支配されていたとしたら?というシリーズの常識を覆す設定でネオ(キアヌ・リーブス)の新たな戦いが描かれる。

解禁された本編映像は、走行する列車内にいるネオが新キャラクターとなる青髪の女性バッグス(ジェシカ・ヘンウィック)から、現在位置が“トーキョー”であると教えられるシーンからスタート。2人を乗せた列車が桜らしき木々に囲まれた線路の上を富士山に向けて進んでいき、車内の扉を抜けた先の部屋には、破れたスクリーンに映しだされるモーフィアス(ローレンスフィッシュバーン)の姿が。「こんなの覚えてない」、「電話ボックスはもう不要」など意味深な会話を伴うシーンが続いた後での予想外の展開に、好奇心がかきたてられる。

一足先に本作を鑑賞した押井守は「『マトリックス』の原点に回帰したなと思いました。ウォシャウスキーの目指している快感原則は1作目に近い」とコメント。そして小池健、伊藤智彦前田真宏森本晃司小島秀夫らトップクリエイターたちも絶賛の声を寄せている。

ネオは再び“真実”のその先に辿り着き、マトリックスに支配された人類、そして世界を救うことができるのか?全世界が注目する『マトリックス』の新章に刮目しよう。

<クリエイターコメント>

押井守(映画監督)

「『マトリックス』の原点に回帰したなと思いました。ウォシャウスキーの目指している快感原則は1作目に近い。撮影のスタイルも変わっていなくて、そこもビックリした。あのふたりじゃなければいけない理由もきちんと描かれていた。キアヌとキャリーのどちらが欠けてもだめ。『マトリックス』をキアヌとキャリーでまた作ってほしいと思っていたお客さんにとっては、間違いなく『これが見たかったんだ』という作品」

小島秀夫(ゲームクリエイター)

「本作は続編ではない。リメイクでもプリクェールでもない。現実と虚構(マトリックス)を行き来するSF映画の金字塔『マトリックス』の物語を起点に、レザレクションズは現実とマトリックス世界、さらには『マトリックス』三部作をもメタ的なレイヤーで繋げるという、他に類を見ない野心作となった。赤のカプセルか?青のカプセルか?最後に救世主がくだす選択に、ラナ監督が“現在の”マトリックスに投影した真意をみる」

●小池健(『アニマトリックス』「ワールド・レコード」、「LUPIN THE ⅢRD」シリーズ」、『REDLINE』他 監督)

「前3部作によりアップデートした人類の昇天した世界を期待して観たレザレクションズ。意表をついた展開の仕掛けに驚くばかり。前シリーズのデジャヴを見ているのか?オマージュ?リンク?導入部のギミックから目が離せなくなるワクワク感。再び赤いカプセルでネオと共に目覚めたい方々必見です。是非!」

伊藤智彦(アニメーション監督)

「20年の歳月を経てThe Oneことネオが帰って来た!かつて最先端の映像を見せてくれたMATRIXだが、世の中がこれだけ進むなか、この世界もアップデートされないわけもなく……あとは自分の目で真実を確かめろ!」

前田真宏(アニメーション監督、アニメーター

ジェファーソン・エアプレイン!!かあーーーっこいいいいいい!!!西海岸のビートな感じでちょっとオトナのマトリックスかも!!よりサイケでディックで内省的で哲学かも!!なーんて思っていたら『いい意味で』裏切られました。ちゃーんとマトリックスです。クールなアクションもたらふく食べさせてくれます。でも……。ちゃーんと進化しているのです。大人の余裕、ってやつだろうか。ユーモアさえ感じさせながら。ラナさん、いい仕事したなあ!救世主が、救済者が飛ぶのではない。あなたが、私が、一人ひとりの秘めたる心が飛翔する時が来る!!本当の気持ちを、自由を、孤独さえも存分に楽しんで」

森本晃司(『アニマトリックス ビヨンド』監督)

「かつて『自分だったらこういう空間を描きたい』という想いがあって実現したのがアニマトリックス”Beyond”の世界だったが、あれから約20年の時を超えてマトリックスの世界はどうなったのか?現実世界ではマトリックスのような素晴らしいSFエンターテイメントが登場したことによって、テクノロジー仮想現実の進化が後押しされ、加速したのではないかとすら思えてならない。そんなマスターピースの作品世界に再びログインすることが叶った2021年、全世界がこの仮想現実の虜になりうるワクワクがつまっていた!ネオとトリニティーの存在はいかなる次元においても”世界”の創生を感じさせてくれる救世主である!」

文/足立美由紀

『マトリックス レザレクションズ』より本編映像&クリエイターコメント到着!/[c] 2021 WARNER BROS. ALL RIGHTS RESERVED