お役所仕事のような理由で侵入者を逮捕できないようだ。イギリス『アスレティック』が伝えている。

9日に行われた女子チャンピオンズリーグ(WCL)グループA第5節でユベントスと対戦したチェルシー。この試合の終盤、ピッチに男性侵入者が立ち入った。

ピッチ内をうろうろする男性侵入者に警備員が寄ってくる様子はなく、見かねたチェルシーオーストラリア代表FWサマンサ・カーがショルダーチャージで吹き飛ばし、見事に撃退。大きな話題となっていた。

カーの行動が大絶賛された一方で、「警察は何をやっているんだ」という声もファンからは上がっていた。だが、同紙によると、この侵入者を逮捕することは法律上できないとのことだ。

1991年サッカーにおける犯罪法のセクション4には、次のように書かれているが、この文中の「指定されたサッカーの試合」という文言が問題を引き起こしているという。

「指定されたサッカーの試合のプレーエリアまたはそれに付随する、観客が一般的に入場できない場所に許可なく立ち入るのは犯罪である」

「「指定された試合」とは、チームの一方または両方が、イングリッシュフットボールリーグプレミアリーグフットボールカンファレンス、またはウェールズリーグのメンバーであること。または、国ないしや地域の代表戦のこと」

つまり同紙は、「女子の試合」というフレーズが文中に含まれていないため、9日のチェルシーvsユベントスは「指定された試合」に含まれず、犯罪とはみなされない。法律の抜け穴になってしまっていると、伝えている。

女子サッカーに力を入れているイングランドにあって、理解に苦しむ話。だが、実際に侵入者は逮捕されてはいないとのことだ。

試合後のチェルシーのエマ・ヘイズ監督は「真剣にプレーヤーの安全について考えなければなりません」と、憂慮するコメント。実際に何かが起きてしまう前に、早急な対応が求められる。



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