日本漢字能力検定協会は13日、2021年の世相を1字で表す「今年の漢字」を「金」に決めたことを京都市清水寺で発表した。

 選考理由として紹介されたのは「東京オリンピックが無事開催され、日本のメダル獲得数が史上最多だったから」「大谷翔平選手や藤井聡太四冠などが金字塔を打ち立てた」「コロナ禍で生活が困窮する方々に多くの支援金が充てられた」など。今年も変わらず世相を反映するのにうってつけの漢字が選ばれた。

 この話題にあわせて、毎年さまざまなタレントや著名人が自身にとっての「今年の漢字」を発表している。そんななかでも、新たな言葉や流行語が生まれる発信地でもあるTikTokではどんな漢字が選ばれているのかを調べてみると、某深夜番組で人気の株主優待家・“桐谷さん”こと桐谷広人氏と、飲食店経営の“嫁ニー”こと平良司氏が挙げた“今年の漢字”が目についた。

【写真】TikTokの流行語を分析する桐谷さん

 桐谷氏が発表した今年の漢字は「重」。その理由について桐谷は「優待券の期限は延長してもらったが、また新しい優待券がきて、持ち運ぶリュックが“重”くなった」とコメント。一方嫁ニー氏が発表したのは「嫁」。その意味については「一番に体調面などを支えてもらったので、本当に感謝です。喧嘩は(なくて)、一方的に僕が怒られているのがほとんどです(笑)」語っていた。

 なお、この漢字を発表している動画は、二人が「TikTok流行語大賞2021ノミネートワードクイズ」にチャレンジしたもの。クイズ内では「#いやヤバいでしょ」「#モテすぎて草誘ってて森」「#青森ナイチンゲール」「#おはようでやんす」「#TikTok売れ」など、TikTokで流行し、若者の間でもバズっていたワードが続々と登場しているのだが、直撃世代ではない2人の視点からみた各ワードの分析が面白い。それぞれの言葉についての誤答は、ネタバレを避けるため実際に動画を見てほしいのだが、桐谷氏は大半が正解ではないものの、回答を見て楽しみながら言葉の意味を理解した様子。そのなかでも「TikTok検証」がお気に入りのようで「何かの定理や公理を検証する。常識的にこうだというものを検証するというのは面白い」とコメントしていた。

 一方、嫁ニー氏は半数近くに正解。世代が近ければ近いほど正答率が上がるのかどうかは不明だが、誤答のワードについても、正解を見て「見たことあるー!」と声を上げるなど、やはり目にしたことのある言葉は多かった様子だ。

 今回はあえてZ世代ではない2人の視点を通して、今年の漢字やTikTok流行語大賞2021ノミネートワードについてクイズを出題し、二人の分析を見てみたのだが、ランキングとワードだけを紹介するよりも、それぞれの流行語を身近に感じることができたのではないだろうか。「ユーキャン 新語・流行語大賞」よりも、若者のトレンドをより色濃く反映している「TikTok流行語大賞2021」。リアルな“流行”を知りたければ、今回ノミネートされた30のワードをそれぞれ調べて、2人のように自分なりに解釈して遊んでみるのも面白いのではないか。(向原康太)

桐谷広人氏TikTokより