AKB48チーム8の関東メンバー8人が“何かとバッチバチ”するバラエティー番組「AKB48チーム8のKANTO白書 バッチこーい!」(毎月2回日曜夜11:30-0:00、チバテレ)が、12月5日に放送100回を迎えた。チバテレ公式YouTubeチャンネルでは、12月5日放送分を、未公開シーンを含めた“完全版”として特別に配信している。

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2017年10月にスタートし、月2回、これまで4年2カ月にわたり放送。チーム8メンバーがアイドルらしからぬ体を張ったチャレンジも見せ、他のアイドル番組とは一線を画す番組を作りあげてきた。

ドランクドラゴン鈴木拓と共にMCを務める吉川七瀬(AKB48)の、カンペの漢字を読み間違えるのは当たり前、誰もが予想できない進行も話題に。鈴木は「初回ですぐに分かりました。あ、こういうバカな子なんだなって」と笑うが、「直そうと思って直りきれてないところが“天才”」「最初から完成されている」と評し、そんなキャラクターを「愛すべき吉川たる所以」と言い、番組の人気の要因の一つと語る。

また、他のメンバーたちの目覚ましいバラエティー力の向上も番組の魅力だ。

小栗有以は“王道アイドル”ながら突拍子もない発言や頑固な一面で鈴木をほん弄。“インテリ派”として活躍する高橋彩音は、するどい一言で番組の流れを変える。一方、小田えりなは積極的に前に出ることはないが、一言で爆笑を生むセンスを披露。岡部麟はカメラに映っていないところでも盛り上がるように動くなど、番組の大黒柱的なメンバーだ。

清水麻璃亜はむちゃ振りにも全力で応え、誰もコメントしない時には積極的に話すなど、スタッフやメンバーからの信頼は厚い。左伴彩佳は涙を見せるほどのプレッシャーと戦いながらも常に全力で挑み、チーム8の“コメディエンヌ”として活躍。そして、約2年半のIZ*ONEでの活動を経て帰ってきた本田仁美は、パフォーマンスだけではなくコメント力もアップ。番組の中心メンバーとして鈴木のツッコミを受けている。

吉川は「他の番組だと緊張しちゃうが、この番組は成長させてくれる場所」と語り、鈴木は「みんな自由にしゃべるもんね。ひどい時はカメラが回っている後ろで普通に私語をしている」と呆れ顔。しかし、そんな番組の雰囲気が作り上げられるのも、現場にあふれる鈴木やスタッフの“愛情”によるものだ。

放送100回を記念して、「WEBザテレビジョン」ではMCの二人にインタビュー。4年以上続いてきた番組への思い、そして今後の番組の方向性なども語ってもらった。

鈴木拓が吉川七瀬を大絶賛「(放送100回は)吉川の力というのもある」

――放送100回を迎えました。

鈴木:100回か、すごいなぁ。それも隔週ですもんね。こんなに続くとは。

吉川:本当に思ってなかったです。

一同:(笑)。

鈴木:吉川の力というのもあるとは思うんですけど、やっていて良かったですよね。はじめはね、こんなうすらバカでどうなるだろうと思ったけど(笑)、それがうまいこと機能して。最近は(カンペを)読めるようになっているんです。でも、読めるようになっても分からないところもちゃんと残しつつなんですよね。

吉川:え? 私?

鈴木:そうそう。この話に気付いてない時点でバカなんですけど(笑)、これがやっぱり愛すべき吉川たる所以で、みんなが見たくなるというのがあるかもしれないですね。

吉川:今日(の収録)も何回かちょっとダメだなって思った部分もあったんですけど、もうちょっと直していけたらなって。

鈴木:いいんじゃない? 直さなくて。みんな笑っていたし。見ているだけでみんなが幸せになるから。

――鈴木さんは吉川さんについて「最初から完成されていた」とコメントされていました。

鈴木:チーム8のことは最初あまり知らなかったんですけど、初回ですぐに分かりました。あ、こういうバカな子なんだなって(笑)。本当に嫌味のない、みんなが「あ、かわいいな」と思えるのが、一発目から出ていましたから。

――吉川さんは「拓ちゃんが隣にいるから何しても良いと思えるようになった」と話していましたね。

吉川:これっていう具体的なエピソードはないんですけど(笑)、例えばさっき話した些細なミスとかでも変な空気にならないで、「やりたいようにやっていいんだよ」みたいな感じで笑いにしてくれるので、その後もテンションが下がらずにできるというか、いつも助けてくれています。

鈴木:あまりに直したくないですからね。こんなバカな司会、他にいないじゃないですか(笑)。

吉川:ふふふ(笑)。

鈴木:これをなんとか成立させて、ゆくゆくは吉川が紅白歌合戦の司会とかやっていたら面白いなとか思うんですよ。「この漢字、何て読むのかな?」とか、むちゃくちゃに(台本を)読んでいたら面白いですし。どこか綾瀬はるかさんみたいな雰囲気もちょっとあるので…あまり言うと綾瀬さんに失礼なんですけど。そういうふわっとした感じはすごいなと思っています。まあ、はじめから“できている人”ですから。

吉川:自分は毎回「今回こそはちゃんとやろう!」って思っているんです、本当に。前回よりもいいMCをしたいし、ちゃんとスムーズにいくように、恥ずかしくないようにしようって思ってはいるんですけど、毎回こういうことになってしまうので…もう直しようがないですね(笑)。

鈴木:あぐらをかくんじゃなく、本気で直そうとしているじゃないですか。でも、直そうと思っても直りきれてないところがやっぱり“天才”だなと。普通は直りますから。これが直らないって本当に天才というかバカというか(笑)。素晴らしいところだと思いますね。

それに、この番組に(ミスをする)吉川のことを「何こいつ」って思っている人がいないっていうのがすごいことですよ。今日の収録でも企画に参加していないメンバーに感想を求めて…なかなかなものですよ。でも、そういうのがいいなぁと思いますよね。元々持っているこの素材を潰さずに、それをまた料理して、さらにおいしくして…元からおいしいですからね。すごい人だと思います。

鈴木拓「俺のキャラクターが潰れている」キャラクターの変更も…?

――鈴木さんのチーム8への思いも変わってきていますよね。

鈴木:そうですね。もちろん関東メンバーを応援するのもそうですけど、やっぱりチーム8が人気者になればいいなと思っていますから。最近は本当に考え方が変わってきたというか、他にもアイドル番組はいくつかやっていますけど、チーム8のみんなのこの感じがいいですよね。

――番組始まった頃からしばらくは「彼女たちのすごさを知ってしまったらバラエティーで絡みづらくなるから、チーム8のライブを見たくない」とおっしゃっていたのに、先ほどの収録では「チーム8のマネージャーになりたい」と発言されていました。

吉川:うれしかったです。

鈴木:この番組を続けている以上は、ライブは見に行きたくないですよ(笑)。見に行っちゃうと、ツッコミとかがね。最近もどうかなと思うんですけど…優しくなってきちゃって。本当だったら怒らなきゃいけないとかそういうところも、100回も超えてちょっとずつ違う新たな何かがね。また、スタッフさんがすごく愛情があるんですよ。それが乗り移っちゃって。

こんなはずじゃなかったとは思っていますよ。自分さえ良ければいいというタイプの人間ですから。はじめの(番組側の)発注はたぶんそうでしょうし。結局そういうタイプの人間じゃないですよね。変えさせられました、チーム8に。

吉川:うれしい。

鈴木:いや、うれしいじゃないだろ! 俺のキャラクターが潰れているんだからさ。弱っちゃいますけど、また新たなステージでいいのかなとも思います。

――チーム8のメンバー側からも、鈴木さんとの距離を縮めてきていますよね。

吉川:そうですね。最初は「絶対に(拓ちゃんとは)やっていけない」と思って。今まで共演してきた芸人さんとは違うタイプだったので、絶対に合わないんじゃないかなと思っていたんですけど、いつの間にかすごく意気投合していて。とてもやりやすいし、みんなも積極的に挑戦できるんです。他の番組だと、何か一言言うだけでも緊張しちゃったりとか、いっぱい笑いを取らなきゃみたいな感じで気を張っていたんです。でも、「バッチこーい!」は本当に何か成長させてくれる場所というか。

鈴木:みんな自由にしゃべるもんね。ひどい時は、カメラが回っている後ろで普通に私語をしているから。何か学校の先生みたいになっているなって。でも、ちょっと違う接し方になってきましたね。

はじめの頃は、結構怒ったりとか嫌なことを言ったりして、という感じだったと思うんです。徐々に誰かだけをえこひいきして、こんなことを言うとえこひいきされた人には申し訳ないですけど、誰かを上げておいて他の人を怒らせるとか、いろいろやっていました。でも、そうじゃなく本音の部分でみんなとぶつかるように、100回を超えてそういうふうになっていくんじゃないかなと思っています。

※高橋彩音の高は正しくは「はしご高」

吉川七瀬(AKB48)、鈴木拓(ドランクドラゴン) /撮影:金澤正平