クリスマスと言えばサンタクロースが定番だ。良い子のみんなにプレゼントをもたらしてくれる。では悪い子はどうなのか?罰がもたらされるのだ。
西洋には、恐ろしい「ブラック・サンタ」の伝承が各地で伝えられており、「クランプス」などが有名だが、ドイツ、オーストラリアに伝わるクリスマスの魔女「フラウ・ペルヒタ」もブラックな一面を持っている。
ペルヒタはクリスマスシーズンにやってくる。良い子には銀貨を、悪い子には悪夢を見せ、内臓を切り開き、石を詰め込み井戸に沈めるという容赦ない罰を与えるという。
ドイツのバイエルン州やオーストリアのアルプス地域で今も尚語り継がれている土着伝承が、クリスマスの魔女「フラウ・ペルヒタ」だ。
ペルヒタは、大柄な体に鉄でできた嘴のような尖った鼻と大きく形の悪いガチョウの足を持ち、杖をついてボロきれに身を包んだその姿は、まるで老いて朽ちかけている古い妖怪のようだ。
地域によって伝えられる内容は若干異なるが、子供のみならず大人にも恐れられる存在であることに変わりはない。
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善い行いには褒美を、悪い行いには罰を
クリスマスシーズンの12月25日~1月6日になると、半分女性で半分悪魔の姿をしたペルヒタが田舎を歩き回り、子供たちが寝静まった頃に家々を訪れる。
そして、この1年間善い行いをしていたか、悪い行いをしていたのかを査定する。この査定には子供のみならず大人も含まれる。
もし、子供や大人が良く働き真面目に暮らしていたのなら、家の見つかりやすい場所に銀貨を置いて行ってくれる。
[もっと知りたい!→]本当に怖い、暗黒のサンタクロース、「クランプス」が描かれたクリスマスカード
ところが、聞き分けのない子供や悪い大人には容赦なく罰を与える。。
子供は誘拐してナイフを隠し持つと言われるスカートの中へぶら下げる。大人は腹を切り裂き内臓を抉り出して、代わりに小石や岩、ゴミや藁などを詰めていく。
元は異教徒の女神だったという説
ペルヒタについて伝えられているのは、元は異教徒の女神だったということだ。しかし、キリスト教の普及により魔女に変身したと言われている。
ペルヒタにまつわる様々な伝説は多い。例えば、ペルヒタの正体を暴こうとスパイをしようとした農夫がペルヒタの怒りを買って盲目にされたそうだ。
最終的に、その農夫は視力を回復したが、いかにペルヒタが恐ろしい魔力を持っているかということを周りは知ることとなった。
また、結婚披露宴に招待されなかったことに腹を立てたペルヒタが、新郎新婦や招待客を呪文で全てオオカミに変えたという伝説もある。
これらのストーリーは、数百年前に遡るとされているが、今でもドイツやオーストリアの一部地域にはクリスマスシーズンになるとこうした伝承が残っており、子供や大人はペルヒタの訪問に慄き、罰を恐れるという。
written by Scarlet / edited by parumo
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