段田安則が主演を務めるパルコ・プロデュース2022『セールスマンの死』のメインビジュアルと各キャストコメントが公開。また、東京公演ほか、松本、京都、豊橋、兵庫、北九州公演の詳細も発表された。

アーサー・ミラー作、エリア・カザンの演出により1949年ニューヨークで初演されてから742回の上演という、当時としては画期的なロング・ラン公演となった本作。トニー賞、ニューヨーク劇評家賞、ピューリッツア賞を受賞した近代演劇の金字塔となる作品だ。『セールスマンの死』は、ウィリーが帰宅した月曜日の深夜から、自ら命を絶つ火曜日の深夜までの、わずか24時間が舞台。わずか24時間の中に、初演当時としては斬新であったフラッシュバックの手法で、ウィリーやまわりの家族の過去の記憶が巧みに織り込まれ、演劇ならではの展開をみせる。ウィリーの保険金で家のローンが完済されたことを嘆く妻の独白で終わるラストは静かな衝撃を観る者の心に残してきた。

主人公ウィリー役には舞台のみならずテレビ・映画の世界で、変幻自在に活躍、日本を代表する俳優となった段田安則。65歳の節目に、満を持してウィリーローマン役に挑む。また、ウィリーを支える妻リンダ役にはテレビ・ドラマに幅広く活躍し輝き続け、本作が25年振り2回目の本格的舞台出演となる鈴木保奈美。長男ビフには、テレビ・ドラマでの繊細な演技から、歌舞伎ミュージカルなど幅広く活躍する福士誠治、次男ハッピーには、映画、TVは、もちろん近年は舞台での活躍も目覚ましい林遣都、友人のチャーリーには、映像から舞台まで、充実した活動を続ける鶴見辰吾、そして幻想の中に登場する兄ベンにドラマ・舞台・ナレーションと多岐にわたり躍進を続ける高橋克実といった豪華な顔ぶれが実現。さらに前原滉、山岸門人、町田マリー、皆本麻帆、安宅陽子らTVや映画、舞台で活躍する豪華俳優陣が集結。

そして今回、演出家には英国有数の劇場で数々の演出作を手がけ、本作と同じくアーサー・ミラーの『プライス(対価)』が評判となり、日本では2020年にサイモンスティーヴンスの新作戯曲『FORTUNE』のワールド・プレミアを開けたショーン・ホームズが担当。日本でセンセーショナルな演出が記憶に新しいショーンと共に、新進気鋭の女性美術・衣裳デザイナー、グレース・スマートが新たに作り上げる劇世界となる。

メインビジュアル解禁に合わせて到着したキャストコメント全文は以下より。

ウィリー役 段田安則
不朽の名作『セールスマンの死』を初めて見たのは20歳のときでした。それから40年以上の時を経て、私も主人公ウィリーとほぼ同年齢になりました。そして、これまで名だたる名優の皆さんが演じてこられたこの役に、いよいよ挑むことになりました。世の中は、コロナ禍でまだまだ予断を許さない状況ではありますが、それゆえに、「演じたい」「舞台に立ちたい」という気持ちは益々充実してきています。このニューヨークが舞台の戯曲を、イギリス人の演出家の下、私達日本人の役者が演じるというグローバルな舞台です。まさに多様性が重んじられる現代に相応しい舞台だと思います。
是非ご期待ください。

リンダ役 鈴木保奈美
セールスマンとはどんな男なのか。彼は何を売っているのか。その死は何を意味するのか。70年前と現代に共通する普遍的なドラマの中に、2022年ならではのテーマも見えてくるのではないでしょうか。尊敬する段田さんをはじめ、素敵な俳優さん達とご一緒できるお稽古の1ヶ月を想像しただけで、分不相応なご褒美をいただいている気分です。楽しみ過ぎて、どうしましょう。

ビフ役 福士誠治
今回パルコ・プロデュースの『セールスマンの死』に参加出来ること、率直に嬉しくあります。多くの役者が演じ、感銘を受けている作品ですが、今現代に通じる想いなどがたくさん詰まっている作品。
僕自身、どんなことを想い、どんな風に演じていけるのか!それがとても楽しみです。
そして新しくなったPARCO劇場で作品を届けられることもとても嬉しく思っています。
みなさんの心に届く何かを残したいです。

ハッピー林遣都
数年前にこの作品を知り戯曲を手に取りました。あまりの感動に「いつか自分は『セールスマンの死』をやるんだ!」と心に決めた瞬間がありました。まさかこんなに早く念願叶うとは思っていなかったのでお話をいただいた時は本当に嬉しかったです。
時代の節目のようにも感じる近年、素晴らしい作品に出会い、劇場にいる沢山の人たちと一つの空間を共有することで、なんだか希望に触れられているような気がしています。
偉大な演劇界の先輩方と過ごす贅沢な時間を深く噛み締めながら、稽古から千秋楽まで、毎日を大切に過ごしたいと思います。

チャーリー役 鶴見辰吾
段田さんとはシェフと客、鈴木保奈美さんとは元恋人、福士さんとは同じ孤島に遭難、林遣都さんとは親子、克実さんとは兄弟、という関係で、かつて共演した。皆本さんと前原さんは、2020年のショーン・ホームズさん演出『FORTUNE』で同じ舞台に立った。プロデューサーの佐藤玄さんは、2018年の『チルドレン』からいい仕事が続いている。これだけ信頼できる人に囲まれたら、正直言って少々苦手だった『セールスマンの死』という戯曲を、好きになれるんじゃないかという欲望に駆られたのだった。やるからにはとことんやる。

ベン役 高橋克実
70年も前に書かれた戯曲ですが、そこに描かれたアメリカの高度成長期の歪みの中で生きる人々の苦悩は、まさに現代社会そのものです。競争社会や格差、学歴・教育問題に親子関係などリアルに迫ってきます。こういう、時代や翻訳劇の壁を超えた普遍性が、『セールスマンの死』が不朽の名作と呼ばれる要因なのだと感じ入りました。その主人公ウィリーを、尊敬する先輩・段田安則さんが演じ、僕はウィリーに大きな影響を与える兄・ベンを演じます。とても幸せで楽しみなのですが、同時に、今からとても緊張しています。でも、この緊張感を大切にしながら戯曲に向き合い、本番を迎えたいと思っています。

【公演概要】
パルコ・プロデュース2022『セールスマンの死』
作:アーサー・ミラー
翻訳:広田敦郎
演出:ショーン・ホームズ

【東京公演】2022年4月4日(月)~4月29日(金・祝) PARCO劇場
【松本公演】2022年5月3日(火) まつもと市民芸術館 主ホール
【京都公演】2022年5月7日(土)~5月8日(日) ロームシアター京都 メインホール
【豊橋公演】2022年5月13日(金)~5月15日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール
【兵庫公演】2022年5月19日(木)~5月22日(日) 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
【福岡公演】2022年5月28日(土)~5月29日(日) 北九州芸術劇場大ホール

<出演者>
ウィリーローマン(63歳。かつては敏腕のセールスマンだった):段田安則
リンダウィリーの妻):鈴木保奈美
■ビフ(ウィリーの長男):福士誠治
ハッピーウィリーの次男):林遣都
バーナード(ビフの友人。弁護士):前原滉
■ハワード・ワグナーウィリーの上司)&スタンリー(バーのウェイター):山岸門人
■女(ウィリーの顧客):町田マリー
■ミス・フォーサイスハッピーの女友達)&ジェニーチャーリーの秘書):皆本麻帆
■レッタ(ミス・フォーサイスの友人):安宅陽子
チャーリーウィリーの友人でバーナードの父):鶴見辰吾
■伯父ベン(ウィリーの兄):高橋克実

『セールスマンの死』公式サイト
https://stage.parco.jp/program/salesman/

スポットムービー、出演者コメントムービーはこちら
https://www.youtube.com/playlist?list=PLZR4xo8hxV2er-Hf4WcwVqSOR5cC-RHWh

『セールスマンの死』メインビジュアル