江口のりこが主演を務めるドラマ「SUPER RICH」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の最終話12月23日に放送され、お金持ちの家庭に生まれて転落と再生を繰り返す女性社長・衛(江口)の半生がひとつの結論にたどり着いた。毎週Twitterのトレンドランキング入りを果たしていた今作。視聴者は「何が起きても驚きませんよ」といった心持ち最終話を楽しんだようだ。(以下、ネタバレが含まれます)

【写真を見る】満面の笑みでリモート電話をする優(赤楚衛二)

■“忠犬”空は優しい男だった

本作は、“幸せのカタチ=スーパーリッチ”を追い求めるベンチャー企業「スリースターブックス」の社長・氷河衛(江口)の波瀾(はらん)万丈な半生を描くオリジナルドラマ。衛は一回り年下の専門学生・春野優(赤楚衛二)と出会い、ジェットコースターのような人生を歩んでいく。

先週、最終話一歩手前に起きた出来事は、これまで衛の右腕的な存在で、忠犬のように尽くしてきた空(町田啓太)が、衛の元上司で大手IT企業「MEDIA」の取締役である聡美(松嶋菜々子)側について、衛の会社「スリースターブックス」にTOB(敵対的買収)を仕掛けてきたところで幕を閉じていた。

今回、空の行動の真相に注目が集まったが、一度は衛に恋愛感情を抱いたほどあって空は最後まで良い人だった。空は「MEDIA」の買収を勘付いて、TOBが成立しないように動いていただけであり、「スリースターブックス」のメンバーは一丸となって会社の存続を願って動いた。

衛にしてみれば、“忠犬”空から噛まれることはなく済んで、仕事仲間の大切さとパートナーである優から与えられる穏やかな時間が何よりも恵まれているということに気付いたわけである。

■どう生きていくかを見つけることが“SUPER RICH”な人生に

会社存続の危機や、仲間の裏切り、パートナーの大怪我など、様々なことが巻き起こった「SUPER RICH」だが、ラストシーンはとても穏やかであった。家で優とほっとした時間を過ごす衛は、2人でラーメンをすすりながら今後のことをのんびり話す。

人生に野望を持ちつつも、優は衛に「あなたがいたらどこでもいいです」と、衛が何にも代えがたい存在だということを改めて告白。それに対して衛は、基本的に「お金はなんぼあってもいいから」と、自分の中にお金を稼ぐことへの大きな意欲を示しつつ、「人間生きていくだけでめっちゃお金かかるから。お金の心配せんと、楽しく皆と仕事して、おいしいごはん食べて、フカフカのベッドで寝る。隣りには優くんがいてさ。それがたぶん私の…」とセリフを締めた。直後に「SUPER RICH」というタイトルが出て放送が終了。

主人公の衛をはじめ、登場人物それぞれが自分にとって大切なこと、大切な人、譲れない時間などを見つめてきた今作。豊かさという意味を持つ“RICH”な状態に心を保つには、様々な経験を積んで、自分で生きる基準を決めていくと答えが見えてくるのだろう。視聴者はSNSに「あー楽しいことを仕事にしたいなって思えたドラマだった」「キャストの雰囲気がとても良い作品だったね」「どこに着地するのかなと思っていたけど見てきて良かった」等の感想が並んだ。

「SUPER RICH」第11話より/(C)フジテレビ