一部改良で1.2リッターエンジンを発電機として搭載するシリーズ式ハイブリッドシステム「e‐SMART」搭載車が追加設定されたトヨタライズ。価格は170万7000~229万9200円
一部改良で1.2リッターエンジンを発電機として搭載するシリーズ式ハイブリッドシステム「e‐SMART」搭載車が追加設定されたトヨタライズ。価格は170万7000~229万9200円

2021年11月、トヨタのコンパクトSUV・ライズにハイブリッドモデルが追加され、そのコスパ最強にも程があるお値段に注目が集まっている。そこで、徹底試乗した自動車ジャーナリストの小沢コージ氏に、本当にお買い得なのか解説してもらった。

■兄貴分ヤリスクロスと同等の使い勝手を実現!

2021年11月、ニッポンの自動車市場を揺るがしかねないチョー強力な伏兵的コンパクトSUVが登場して話題を集めている。トヨタの新型ライズに追加されたハイブリッドモデルのことだ。とにかく価格が魅力的なのだ。もちろん、魅力的なのは価格だけではない。公道試乗もしたが、その実力の高さにオザワはマジで驚いた。

新型ライズのキモはトヨタ傘下のダイハツが独自に開発したシリーズ式ハイブリッドシステム「eスマートハイブリッド」を搭載したことだ。このシリーズ式ハイブリッドはエンジンを発電のみに使うため構造がシンプルになり、100%の電動加速を味わえる。ちなみに燃費はWLTCモード燃費で28㎞/リッター。実燃費も良好で一般道でリッター26㎞台を記録、乗り心地もイイ! 
ハイブリッド全車とガソリン車の上位グレードには、待望の電動パーキングブレーキを採用して商品力を大きく向上させた
ハイブリッド全車とガソリン車の上位グレードには、待望の電動パーキングブレーキを採用して商品力を大きく向上させた

そしてスペースユーティリティもスゴい。もともとライズはほぼ全長4m、全幅1.7m弱の完全な5ナンバーサイズのボディ。大人5名がフツーに座れるスペースと適度なラゲッジを備えてきた。見た目は小さく、内装質感も若干プラスティッキーだが、兄貴分であるトヨタヤリスクロスより小さいボディのなかに同等の使い勝手を備えているからスゴい。

自動車販売の総合ランキングでトップ争いを繰り広げるヤリスシリーズのSUVを支えるヤリスクロス。価格は179万8000~281万5000円
自動車販売の総合ランキングでトップ争いを繰り広げるヤリスシリーズのSUVを支えるヤリスクロス。価格は179万8000~281万5000円

しかも、ライズのハイブリッドモデルのスタート価格は216万円台とヤリスクロスのハイブリッドモデルより約12万円ほど安い! 上質感で迫り、コスパで上回る「下克上」がなされたと言っても過言ではない。現在、ヤリスクロスはヤリスのハッチバックモデルと合わせ、新車販売総合ランキング上位の常連だ。しかし、ココにライズが登場したので、もうウカウカしていられない。ライズに爆売れの空気が漂っているからだ。オザワ個人の趣味ではないが、コスパと使い勝手を求める人にはライズのハイブリッドモデルは推せる!

★試乗して解説してくれた人 
小沢コージ Koji OZAWA 
自動車ジャーナリスト。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ』(毎週木曜17時50分~)。YouTubeチャンネル『KozziTV』

撮影/望月浩彦 本田雄

【画像】ライズのインテリアとヤリスクロス

シリーズ式ハイブリッドシステム「e‐SMART」搭載車が追加設定されたトヨタライズ