エリザベス女王(95)による毎年恒例のクリスマス演説が、英国のテレビで放送された。今年のスピーチは、4月に逝去した故エディンバラフィリップ王配への個人的な敬意を示す内容となった。女王は赤いドレスの胸元にハネムーンで思い出のブローチをつけ、テーブルには王配と女王の写真1枚のみが置かれていた。

現地時間25日午後3時、事前にウィンザー城の「ホワイト・ドローイング・ルーム」で撮影されたエリザベス女王によるクリスマス演説が放送された。

テーブルの後ろに座る女王の背後には、ライトアップした大きなクリスマスツリーや暖炉の周囲に飾られたデコレーションが輝いている。

毎年女王のテーブルには家族の写真が並べられるが、今年は4月に逝去した故エディンバラ公フィリップ王配と女王が写された1枚のみが置かれた。

この写真は2007年に夫妻が結婚60周年の「ダイヤモンド婚」を迎えたことを記念し、英ハンプシャー州にある歴史的建造物“ブロードランズ”で、ハネムーン写真の再現として撮影されたものだ。

邸宅はかつて王配の叔父にあたるマウントバッテン卿が所有しており、1947年には女王が王配とのハネムーンで滞在した思い出深い場所である。

そのため女王は今回の演説で、ハネムーンで着用したダイヤモンドサファイアの“菊のブローチ”を胸元につけ、王配への深い愛情を示した。

このブローチは、2017年に結婚70周年を迎えた「プラチナ婚」記念日や、2020年の結婚73周年記念などにも着用していた。

演説で女王は「クリスマスは多くの人々にとって幸せな時間ですが、大切な人を亡くした人にとっては辛い時です。今年は特にそのことが理解できます」と述べ、亡き夫フィリップ王配への思いを伝えた。

「最愛のフィリップが他界してからの数か月間、彼の人生と仕事に対して英国内や英連邦国、そして世界中から寄せられた多くの賛辞と愛情が、私にとって大きな慰めとなっているのです。」

「彼のサービス精神や知的好奇心、どのような状況でも楽しみを見出す力は、どれを取っても熱意に満ち溢れていました。」

「もちろん人生には最初の出会いがあるように、最後の別れがあります。私や家族が彼を恋しく思うのと同じように、彼も私達がクリスマスを楽しむことを望んでいるでしょう。私達は世界中の何百万人の人々と同じように、彼の存在を感じながらクリスマスの準備を行いました。」

そして女王は、王配が創立した「デューク・オブ・エディンバラ・アワード」が、多くの若者に探検と冒険の機会を与えてきたことを称賛した。

この後、自身の子供達やその家族が王室の役割や伝統、価値観などを継承しているのを見ることが、「大きな幸せの源となっている」と述べた。

次に女王は、生前のフィリップ王配が環境問題に対する先駆的な活動を行ってきたことに言及。その意志がチャールズ皇太子ウィリアム王子に引き継がれ、カミラ夫人キャサリン妃のサポートを得ながら、グラスゴーで開催した国連気候変動サミット(COP26)で取り上げられたことを称え、「言葉にならないほど誇りに思います」と喜びを伝えた。

画像は『The Royal Family 2021年12月25日付Instagram「“And for me and my family, even with one familiar laugh missing this year, there will be joy in Christmas, as we have the chance to reminisce…”」、2020年11月20日付Instagram「Thank you to everyone for your kind wishes for The Queen and The Duke of Edinburgh on their 73rd Wedding Anniversary」、2020年11月19日付Instagram「This new image has been released to mark the 73rd wedding anniversary of The Queen and The Duke of Edinburgh tomorrow.」』『The Royal Family 2021年12月25日付Twitter「The Queen’s annual Christmas Message can be viewed at 3pm on @RoyalFamily channels, @BBCOne and @ITV and heard on @BBCRadio4.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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