カレーは美味い! チャーハンも美味い! だからカレーとチャーハンが合体したらもっともっと美味い! をテーマに、カレーチャーハンを出す店を見つけて食べ歩いた2021年。
この場合のカレーチャーハンは、カレースパイスで味付けしたチャーハンではなく、カレールー&チャーハンの組み合わせ。町中華のまかないメニューから生まれたカレーチャーハンに、インドやタイなどのアジア系エスニックチャーハン、カレーマニアな料理長のこだわり満載カレーチャーハンなど6つを紹介します!
週一で食べに行きたいぐらい美味い!『中国料理 翠』(市ヶ谷)の「翠式カリー炒飯」
市ヶ谷にある私学会館のホテル「アルカディア市ヶ谷」の中華料理レストラン『翠』が作るカレーチャーハン。「中国料理人が作るこだわりのカリー」、その名も「翠式カリー炒飯」(すいしきカリーチャーハン)は、牛肉のバラ肉とスジ肉、野菜を丁寧に煮込んでカレーのベースを作り、3日間かけて仕上げたもの。
パラパラのチャーハンは、パセリとクミン入りでシンプル。カレーの濃厚な美味しさを引き立てる存在になっています。添えてあるチンゲンサイはシャキシャキ。時々生姜を口に入れるとスッキリリセット。サラダやスープもあって食べ飽きることがなく、むしろもっと食べたい、もっともっと、と口に頬張りたくなる美味しさです。
最後の一口はもちろん揚げ蒸しパンで皿に残ったルーを全てすくって完食! 800円でここまでうっとりできるカレーチャーハンは、また食べたい、もっと食べたい、と思える美味しさです!
カレー専門店の作るスパイス華やかなカレーチャーハン !『カレバカ世紀』(目黒)の夜限定「カレーチャーハン」
濃厚なカレーの旨さでインパクトがあったのは、目黒にある『カレバカ世紀(つぐき)』のディナータイム限定「カレーチャーハン」。この日はビンダルーの「カレーチャーハン」。辛さも香りもしっかり効いた、旨みの強いカレーは、グリーンカルダモンの爽やかさが後からやってきます。そして鉄のフライパンで炒めて作るチャーハンはパラッパラ。そのまま味わうとシンプルな味ですが、旨みがしっかりしているカレーと合わせると絶妙のバランスです。さすがカレー専門店、足し引きが完璧!
ルーがしっかり辛いせいか、チャーハンはほんのり甘く感じます。そして、ルーだけ味わうと口の中でスパイスが爆発するようなバッと華やかな味わいです。店では、ビンダルカレーと角煮カレーを交互で仕込むため、その日によってカレーチャーハンのルーが変わるとのこと。週替わりのメニューはSNSにアップしているので、最新情報はSNSで確認を。
初めて食べたのにどこか懐かしい『美華飯店』(西大井)の味噌汁付き「カレーチャーハン」
見た目は中華チャーハンらしい半円形、そこにトロッとしたカレーがしっかりかかっている「カレーチャーハン」。チャーハンのスープではなく味噌汁付きというのもいい感じ!
カレーは豚肉の欧風カレーで、鶏ガラ出汁をフォンドボーで継ぎ足したもの。そして、ややしっとり系チャーハンの具は豚挽肉にタマネギ、ニンジン、ピーマン、卵など。実はオムライスの中身と一緒です。そしてこの日は福神漬けが付いていましたが、日によってはキューちゃんの時もあるそう。この、どこかおうち感、アットホーム感がたまらないのも、『美華飯店』のいいところ。初めて来たのに親しみのわく、そしてホッとする美味しさです。
インド人がカレーチャーハンを作ったらこうなった!『Curry Aladdin』(神田)のラッシー付き「カレーチャーハン」
“町中華の賄い飯”、という印象だった「カレーチャーハン」のイメージを打ち砕いたのが神田にある『Curry Aladdin』の「カレーチャーハン」。ランチタイムの一番人気メニューがなんと「カレーチャーハン」!
カレーはチキンのキーマカレー。辛さは1のマイルドから5の激辛まで5段階から選べ、+300円でバスマティライスにすることも可能です。「チャーハンは別に中国だけのものじゃないですよ。インドの人もフライドライス、チャーハンは普通に食べます。カレーとお米はインドのスタイルでしょ」とオーナーが語るようにインドでも「カレーチャーハン」は存在しているようです。
チャーハン改めフライドライスは、塩胡椒が効いたシンプル・しっとり系。だけどチキンティッカ効果でほのかにスパイスの香り、そして単体で食べるとゴマ油の風味も。この時のカレーの辛さは5段階中2の「ノーマル」。辛さより、スパイスの香りを味わえる美味しさ、という感じです。インド料理の「カレーチャーハン」は、中華料理系「カレーチャーハン」よりもさらっとした口当たりです。
タイ人シェフが作るカレーチャーハンはオムライス仕立て!『タイレストラン 沌』(日本橋)の「グリーンカレーチャーハン」
そして、タイレストランにも「カレーチャーハン」を発見! オムライスの玉子の中のチャーハンはグリーンカレーと一緒にライスを炒めたもの。ライスはタイ米。上にシーフードグリーンカレーがたっぷりかかっています。
実はこれ、タイに元々ある料理ではなく、お店の賄いメニューから生まれたもの。食べてみると、最初に甘く感じたのもつかの間、一気に辛さがやってきます。ふわっと甘さ、一気に辛さがブワーッと広がる急上昇・急降下感。ガツンとくるカレーに対し、チャーハンはシンプルな味わい。そして卵がカレーとチャーハンをつなぐ絶妙なバランスです。キリッと炭酸とか、スッキリするドリンクが合いそうな刺激的な美味しさでした!
これはカレーチャーハンと言ってもいいのでは?『ムンバイキッチン』(西葛西)の「ビリヤニ」
最後は東京最大のインドタウン、西葛西にあるインド料理専門店『ムンバイキッチン』のビリヤニ。ビリヤニってインド風炊き込みご飯、ですが、実はこのビリヤニ、ライスの底にチキンカレーがある! そしてここのビリヤニは、炊飯してから1日混ぜて、炒め直してからカレーにのせているとのこと。ということで、炒めたビリヤニ、底にチキンカレー。なのでカレーチャーハン、の定義にはハマっている?
そもそも、なんで「ビリヤニ」の下にカレーを隠したの? と聞くと笑顔で「Looking good!」。とシェフ。ビリヤニもカレーも結構スパイシーなので、生タマネギやヨーグルトサラダで口の中をリセットしながら味わうのがいいバランスです。平日ランチタイムにはサラダ、ソフトドリンク付きの「チキンビリヤニセット」(1050円)があるほか、土日11:00~15:00のランチバイキング(大人1090円、子供600円)でもビリヤニを食べられます。
一見どこにでもありそうで、実はなかなかお目にかかれないのが「カレーチャーハン」。そして、町中華の店もタイ料理店も店の賄いから生まれたメニュー、というのが「カレーチャーハン」の良さというか、立ち位置なのかもしれません。この奥ゆかしさも、「カレーチャーハン」の愛すべき理由の一つ、ではないでしょうか。
※価格、営業時間などは2021年取材時のものになります。緊急事態宣言などで営業時間、定休日などが変更になる場合があります。
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