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インドネシアで今月20日、傘をさして中庭を歩いていた警備員の男性に雷が直撃する瞬間をカメラが捉えた。閃光が走った直後に大きく火花が散り、火傷を負った男性はその場に倒れ込んでしまったが、奇跡的に一命を取り留めることができたという。『New York Post』などが伝えている。

不運にも落雷を受けてしまったのは、インドネシア首都ジャカルタ北部チリンシンで警備員として働くアブドゥルロジードさん(Abdul Rosyid、35)だ。アブドゥルさんは20日の夕方、いつも通り制服姿で中庭のパトロールを行っていた。

その日は霧雨が降っており、ビニール傘をさして歩いていたアブドゥルさんの姿を監視カメラが捉えていた。画面手前側から奥へ向かって歩く姿に特に変わった様子は見られないが、突然空からアブドゥルさんに向かって閃光が走り雷が直撃した。

アブドゥルさんは当時の状況について「傘の先端は鉄製のもので、左肩にトランシーバーを装着し、電源をつけたままの携帯を持っていました。携帯は操作しておらず、ただ手に持って歩いていたら雷に打たれたのです」と明かしている。

火花はアブドゥルさんの姿が見えなくなるほど降り注いでおり、アブドゥルさんはその場に倒れ込んでしまった。かろうじて腕を動かしており意識があることが確認できるが、起き上がることができない様子だった。その後、近くにいた同僚らが駆けつけてアブドゥルさんは近くの病院「Harbor Hospital」に運ばれた。

落雷直後についてアブドゥルさんは「体が硬直してしまい、手足の指先しか動かせない状況でした。体自体は硬かったのですが、ローストされる鶏のように体は曲がったんです」と表現している。

アブドゥルさんは落雷の影響により、左側の腕や胸、腹部、脚、右足首など体の左側を中心に約65%の火傷を負ってしまった。病院に運ばれた当初は横になっていることしかできなかったが、4日後には立ち上がり少しずつ歩けるようになってきたため退院し、現在は自宅で療養している。

なおアメリカ国立気象局(National Weather Service)は過去10年間(2009~2018年)のデータから計測すると、寿命を80歳と考えた場合に生涯で雷に打たれる確率は15300分の1と公表している。また落雷を受けた人のうち死亡するのは10%だが、残りの90%は記憶障害や反応速度の低下、慢性的な痛みなど様々な症状が残るという。これらを考慮すれば、今回アブドゥルさんが無事に快方へ向かっているのは奇跡的と言えるだろう。

ちなみに今年5月には、落雷後に大量の火花の雨が降り注ぐ瞬間を捉えた映像ロシアから届き、大きな話題を呼んでいた。

画像は『New York Post 2021年12月28日付「Security guard zapped by lightning in shocking video somehow survives」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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