ミランテクニカルディレクター(TD)を務めるパオロ・マルディーニ氏が、イタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマの移籍劇を振り返った。イタリアスカイ』が伝えている。

昨夏の移籍市場でミランからパリ・サンジェルマン(PSG)へフリー移籍したドンナルンマ。退団前には選手の代理人を務めるミノ・ライオラ氏が高額な年俸を要求し続けただけでなく、PSGとの契約条件自体は最終的にミラン側が提示したものと大差ないものだったと判明したこともあり、ファンの怒りを増幅させてしまった。

また、ファンの恨みが如実に表れたのが、昨年10月にミランの本拠地であるサン・シーロで行われたUEFAネーションズリーグファイナルズ準決勝のスペイン代表戦。先発したドンナルンマはボールを持つたびに大ブーイングを浴びせられることになり、ハーフタイムには涙を流す姿も見られた。

ファンとの緊張した関係が続く中、昨夏の移籍劇について振り返ったのが、現役時代はミラン一筋を貫き、現在はTDを務めるマルディーニ氏。クラブ愛溢れるレジェンドは、イタリア『コリエレ・デッロ・スポルト』のインタビューで元守護神に一定の理解を示した。

「運命論者と思われることもあるだろうが、ジャンルイジ・ドンナルンマは感情豊かで美しい人間だ」

「私の理想では、サッカー選手の真のモチベーションは情熱だけであるべきだと考えている。しかし、子供の頃に自分のためにお金を使ってくれた家族に渡すお金や、社会的な還元も動機の一つになるだろう」

「人々に理解され、尊敬されること。一定の成果を上げ、選手として一定の地位を築くこと。これが基本的なスポーツ選手のモチベーションだ」

「選手の望みとクラブのニーズが一致しないこともあり得る。待てる者もいれば、急ぐ者もいる。選手の選択について、私が判断することはない」

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