2021年、日本津々浦々から特大ブーイングを一身に浴びたのが、お笑いコンビ・爆笑問題太田光だ。

 太田は10月31日に生放送された選挙特番「選挙の日2021 太田光と問う!私たちのミライ」(TBS系)にスペシャルMCとして登場したが、結果的にそのキャスティングは大きな騒動をもたらすことになった。

 最も問題視されたのは、同日の小選挙区でまさかの劣勢となったことを報じられた自民党甘利明候補に向けて言い放った痛烈な言葉である。

 甘利氏と中継でつながると、太田はすぐに「甘利さん、お元気そうじゃないですね。何かあったんですか?」とニヤニヤしながら嫌味な先制パンチを見舞う。続けて、「甘利さん、これ、負けとなると、自民党的にも相当な責任問題になりますよね」「これもう戦犯ですよね? もし負けたら」と詰問を緩めず、最後には「まぁ、今は相当ショックな状態になっていると思いますので、いろいろこれから考えてください。アッハッハ! ご愁傷様でした」と笑いながら冷やかしたのだ。

 ネットでは「見ていて不快」「失礼にも程がある」「ご愁傷様でしたは品がなさすぎる」「選挙を闘い終えた人に浴びせる言葉じゃない」などとひんしゅくを買い、大きな騒動になった。

「しかし、太田の暴走はこれだけに留まりません。同特番での『“10番勝負”太田光×二階俊博前幹事長』の企画では、5分間にわたって、自民党の重鎮である二階氏に失礼発言の連発。太田は、中継で二階氏の顔が大画面に映るや否や、『怖い!』『人相が悪いんですけど、怒ってますか?』と、ここでも冒頭から挑発コメントをぶち込む最悪のスタートに。これに二階氏は『君よりはマシだよ』などと、時おり笑顔を漏らしつつ、太田の仕掛けたプロレスに対応。しかし、その後も、太田が『二階さんは自民党の象徴みたいな存在だと思うんですけど、いい意味でも、悪い意味でも』などと語ると、『いい意味だよ』『悪い意味がどこにあるんだよ!』と徐々に雲行きが変わり始めます。

 挙げ句の果てに、太田が『ところで、いつまで政治家続けるおつもりですか?』と聞き出すと、二階氏は最終的に『だいたいね、今日は当選したばっかりでね、“いつまで政治やるんですか?”って、お前、失礼だよ! 言葉を選びなさい!』とマジギレモードに突入。それでも、太田は『失礼じゃないよ。当然、国民の権利じゃん、そういうの聞くの』と一歩も引かずに食ってかかっていました。二階氏との“10番勝負”については、『国民の聞きたいことを聞いてくれた』として太田派に回る人も少なからず散見されましたが、それでも、同氏の人相などについて言及する必要はなかったと太田をバッシングする人が大半でしたね」(テレビ誌ライター)

 大きな炎上騒動に発展し、太田は11月7日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)の中で、一連の悪態について「無礼ですよね。礼節に欠ける。デビューしてからずっと言われているが、成長できていない」と反省。番組コメンテーターで元衆院議員の杉村太蔵からは「古今東西選挙特番MCで炎上したのはあなただけですよ!」と一喝されていた。

 やはり、お笑い芸人や専門的知識を持たないタレントがコメンテーター、もしくは情報番組MCを務め、政治・社会の問題に言及することに対し、世間の声は特に厳しいものとなるようだ。

 そうした中で勃発した太田の大炎上騒動ではあったが、2022年には参議院議員選挙も控えており、太田の言動にはこれまで以上に大きな注目が集まることになりそうだ。

(木村慎吾)

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