生産数1万5000機以上の世界的傑作ヘリの最新型です。

原型Mi-8が初飛行したのは60年前

ロシアの国営企業ロステックは2021年12月31日(水)、子会社ロシアヘリコプターズが開発した新型ヘリコプターMi-171A3が初飛行に成功したと発表しました。

Mi-171A3は昨年(2021年)にロシアの首都モスクワで開催された航空ショーMAKS2021において、傑作ヘリコプターMi-8シリーズの最新型として初公開されたモデルです。

Mi-8は1961(昭和36)年7月7日に初飛行した旧ソ連製の中型汎用ヘリコプターで、1975(昭和50)年に改良型Mi-8Mが登場、その輸出向け(海外仕様)がMi-17になります。そのMi-17シリーズは民間仕様としても量産されており、その最新型がMi-171A3になります。

ロステックによると、初飛行は15分で、その間、垂直離着陸のためのホバリング飛行に加えて、さまざまな速度で各方向への移動が行われたとのこと。なお、初飛行に用いられた機体は、沿岸水域にある海上プラットホームで人員や物資の移送用として使うために設計されたモデルだといいます。

すでにロシアの天然ガス企業ガスプロムが購入を決めており、量産初号機は今年(2022年)に納入される予定となっています。

Mi-171A3ヘリコプターは、最大離陸重量約1万3000kg、最大収容人員24人、飛行範囲は最大1000kmです。機体サイズや最大離陸重量などは従来のMi-171A2とほとんど変わらないものの、洋上飛行時の安全性が大幅に向上しており、加えて荒天時に安定して飛ぶことができる飛行制御システムやナビゲーションシステムが搭載されているほか、操縦席周りも最新のグラスコックピットなのが特徴だといいます。

2021年12月下旬、初飛行に成功した新型のMi-171A3ヘリコプター(画像:ロシアン・ヘリコプターズ)。