スウェーデントロルヘッタン市にて、AEDを搭載したドローンが、心停止の男性を救った。

【画像】Everdroneが輸送する様子

 英メディア『BBC』によると、男性は昨年12月、自宅前で雪かきをしている最中に心停止を起こした。そこへ偶然車で通りかかった医師のムスタファ・アリ氏は、急いで救助にあたり、CPR心肺蘇生法)を行いながら、近くにいた人に112(スウェーデンの緊急電話番号)に電話するよう指示したという。「ほんの数分後、頭上に何かが飛んでいるのが見えた。それはAEDを備えたドローンだった」とアリ氏は述べている。ドローンは連絡を受けてからわずか3分強で現場に到着したといい、治療を受けた男性は、現在では完全に回復しているとのことだ。

 今回利用されたドローンは、スウェーデンカロリンスカ医科大学と、国の緊急オペレーターのSOSアラーム、Region Vastra Gotaland、そしてドローン企業のEverdroneとのパートナーシップによるものだ。

 EverdroneのCEO、マッツ・サルストロム氏は、今回の救命について、「それはCPRをした医師、早期のAEDの到着、救急車内での治療のおかげだ」と『BBC』に語っている。「人の命を救うための手順があることを理解するのが大切で、ドローンはそのシステムを機能させるのに重要な役割を担っている」。

 心停止の際には1分1秒でも早い救命措置が求められるだけに、ドローンを利用したAEDの輸送は、今後も多くの人の命を救うことだろう。(堀口佐知)

画像=Everdroneより