ラ・リーガ第20節、レアル・マドリーvsバレンシアが8日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、ホームのマドリーが4-1で快勝した。

2022年初戦となったヘタフェ戦にまさかの0-1で敗れ、前半戦を2位セビージャと5ポイント差の首位で終えたマドリー(勝ち点46)。来週ミッドウィークサウジアラビアで開催されるスーペル・コパ・デ・エスパーニャの準決勝でバルセロナとのクラシコを控える中、9位のバレンシア(勝ち点28)を相手に新年のリーグ初勝利を目指した。

直近のコパ・デル・レイで昨季屈辱の敗戦を喫したアルコヤーノ(3部)相手に3-1の勝利を収め、きっちりバウンスバックを果たしたアンチェロッティ率いるチームは、その試合で完全休養を与えたGKクルトワモドリッチベンゼマ新型コロナウイルスから回復したヴィニシウスが復帰し、現状のベストメンバーがピッチに並んだ。

戦前の予想通り、立ち上がりからボールを握って相手を押し込むマドリーは、セットプレーから最初の決定機を創出。6分、相手陣内右サイドで得たFKの場面でクロースがゴール前に入れたボールをミリトンが頭で合わすが、枠を捉えたシュートはGKシレッセンのパラドンに阻まれ、公式戦2試合連続ゴールとはならず。

以降はボールの主導権を握りつつ、バレンシアが狙うカウンターをきっちり防いでゲームをコントロールするホームチーム。ミリトンの決定機以降はなかなかチャンスまで持ち込めずにいたが、相手のハイラインの背後を突く形で際どいシーンを創出していく。

30分にはモドリッチのスルーパスに抜け出したアセンシオがボックス内でGKと一対一となるが、シレッセンの果敢な飛び出しに阻まれる。さらに、40分には背後を取ったヴィニシウスのタメから遅れてサポートに入ったモドリッチがボックス中央で左足の鋭いシュートを放つが、これは惜しくもクロスバーを叩いた。

徐々にゴールを匂わせる攻めを見せるマドリーは前半の内に先制に成功。43分、高い位置でインターセプトしたカゼミロがボックス内でDFアルデレテと交錯しPKを獲得。これをキッカーのベンゼマがゴール左上隅の完璧なコースに突き刺し、クラブ通算584試合目で節目の300ゴールを達成した。

1点リードで試合を折り返しマドリーは、後半も集中した入りを見せると、ベンゼマに続きもう一人のエースが2022年最初の一発を決める。52分、左サイドからドリブルで内に切り込んだヴィニシウスがベンゼマとのパス交換でボックス内に侵入。一度DFディアカビに触られるも、ゴール前にこぼれたボールに素早く詰め、ゴール右隅へ丁寧に流し込んだ。

これで俄然余裕が出てきたマドリーは、前がかるバレンシアに対して鋭いカウンターを仕掛けていく。61分にはベンゼマのショートスルーパスに抜け出したアセンシオがボックス右でシュートを放つ。これはGKシレッセンにセーブされるが、こぼれ球をゴール前でドフリーのヴィニシウスが頭で押し込み、ドブレーテを達成した。

これで勝利に大きく近づいたマドリーは、直後にヴァスの強烈なミドルシュートでゴールを脅かされるが、この試合初めてのピンチはGKクルトワの見事なワンハンドセーブで凌いだ。

70分を過ぎてモドリッチ、カゼミロを下げてカマヴィンガとセバージョスをピッチに送り込んだマドリー。このまま試合を締めたいところだったが、76分にはメンディのボックス内でのファウルからPKを献上。ゴンサロ・ゲデスのPKはGKクルトワが見事な反応でセーブするが、その撥ね返りをヘディングで押し込まれてクリーンシートを逃す。

すると、この1点で息を吹き返したバレンシアにここから押し返され始め、ヴァスやマヌ・バジェホに際どいシュートを打たれる。

その後、ナチョ、バルベルデの投入で逃げ切り態勢に入ったマドリーは、88分にセバージョスとメンディのコンビで左サイドをこじ開けてボックス中央のベンゼマ折り返しが繋がると、ベンゼマは絶妙な反転シュートを流し込み、ヴィニシウスに続くドブレーテで試合を決める4点目とした。

そして、両エースのドブレーテの共演で曲者バレンシアに完勝のマドリーが、ヘタフェ戦での敗戦を払しょくする2022年リーグ戦初勝利を収めて週明けのクラシコに弾みを付けた。

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