俳優の山田孝之が、1月12日に都内で行なわれた短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS Season2」の完成披露試写会舞台挨拶に登壇。企画のプロデューサーとして、俳優として、このプロジェクトに込めた思いを語った。

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「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」は、伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田らが「だれでも映画を撮れる時代」をコンセプトに、自由で新しい映画製作の実現を目指して立ち上げたプロジェクト。“変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど、総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開していく。

2月18日(金)から公開されるSeason2では、阿部進之介、紀里谷和明、志尊淳柴咲コウ、三島有紀子、山田佳奈、そして419作品の応募の中から選ばれたクリエイター、Azumi Hasegawa、柴田有麿、駒谷揚の3名の作品が公開される。

壇上に呼び込まれた山田は、今作で監督デビューした俳優陣について「世の中に対して、今どんな問題意識を持っているのか、それを言葉ではなく映像で表現したものを観た時に、クリエーターとして新たに知る一面がありました。特に志尊くんは孤独の問題を描いていて、ファンの方はボカーンとくらうんじゃないですか?」と、プロデューサーとしての感想を述べた。

その後は、山田が俳優として出演した紀里谷監督作「The Little Star」の話題へ。紀里谷監督とはプライベートでの交流はあるが、仕事はしたことがなかったということで、山田のほうからオファーをして実現したことを明かし「(監督は)最初からビジョンが明確で、『電車でアクションをやるから!』と言われました。監督自身がアクション好きなこともあるんですけど、短編になると抽象的な作品が増えるから、スピード感のあるものを作ろうと思うといったお話をいただいた」と経緯を説明。

続けて「イヤでしたよ(笑)。アクションは本当にイヤなんですよ、絶対にケガするから!3日半の撮影のうち2日間は電車でパンダ着ぐるみだったので、それもすべりそうだなと思って。撮影の前日までイヤだなと思っていたけど、紀里谷組に参加出来るのは嬉しいので覚悟を決めました。ただ、骨は折れてもいいけど、歯だけは『戻らん!』と思って気をつけました。そういう意気込みでやって2日間で3本突き指、人生初です(笑)」と冗談交じりに撮影時を振り返った。

紀里谷監督とは映画の収録時間について、「監督が作ってきた作品が(規定の)15分を越えていて、何度もやりとりを繰り返しました。監督からの希望でディレクターズカットもいつか公開する予定です」と話し、「これ以上はカットするシーンがない」(紀里谷)、「いや、ダメなんです」(山田)といった押し問答があったことも言い、双方が並々ならぬ情熱で作った作品であることを吐露した。

最後に「世界中で子どもが誘拐されているという社会問題に切り込んだ作品になっています」と、改めて映画の内容についてアピールした。

また、イベントには、山田と、ドラマ「六番目の小夜子」以来21年ぶりの共演となる松本まりかもサプライズゲストで登場し会場を盛り上げた。

役作りで山田への殺意を染み込ませた結果、「こんなに自分の手が力強かったことはないというくらい、(山田が相手だからこそ)爆発する感情も全てぶつけられました。ミラクルな体験でした」と語り、山田も「怖かったですよ。だって何されるか分からないですからね。案の定、飛んできたり、殴られたりしましたけど(笑)」と、お互いへの信頼を持って撮影に挑んだ様子を披露した。

取材・文=原千夏

山田孝之、松本まりかが舞台挨拶に登壇/ ※2021年ザテレビジョン撮影