工業用ハイバリア包装製品を生産する南京滬江複合材料股フェン(滬江材料、870204/北京)は1月18日に北京証券取引所メインボードに上場する。947万株を発行予定で、公開価格は18.68元。

 同社は1995年設立で、工業用ハイバリア軟包装製品の生産を手掛ける。ハイバリア包装は気体、水分、紫外線、放射線などの包装内部への進入を確実に防ぎ、内容物の性状の安定を確保する機能を持つ。食品工業の急速な発展とともに成長を続け、食品の品質、鮮度、風味保持、保存可能期間延長に貢献してきた。その後化学工業、医薬、電子などの分野にも応用分野が拡大した。中国国内では以前は外国製品が大きなシェアを獲得してきたが、同社を始めとする国産ハイバリア包装企業の台頭により、国産品への置き換えのほか、中国製品の世界輸出が進んでいる。

 同社の主力製品はアルミニウム・プラスチック複合重包装袋・内袋、PE(ポリエチレン)重包装袋・内袋、機能性フィルムとなっており、アルミ・プラスチック複合重包装袋の売上が全体の約6割を占める。同社が設けている技術指標、性能基準は国家基準と同等もしくはそれ以上で、競合製品を上回っており、同社製品は市場において高い競争力を持っている。独BASF、オランダDSMなど国内外の大型・中型化学系企業を主な顧客とし、日本、韓国、東南アジア、欧米などへの輸出も行なっている。2020年には工業・情報化部から国家級「専精特新(専門化・精密化・特徴化・斬新化)小巨人」企業の評定を受けた。

 化学工業の特定分野で高い競争力を持ち、ある程度のシェアを持つ一方で、中国のプラスチック包装業界内全体で見ると上場しているライバル企業に比べて経営規模が小さい点がネックだ。また、業界内の競争が日々激しくなる中で価格競争の加熱による利潤減少、原油や金属などの原材料価格が大きく変動することによる利潤減少、人材の流失や技術の漏洩、取引先がいくつかの大口顧客に集中していることなどによるリスクも抱えている。

 2020年12月期の売上高は2億3132万元(前期比11.3%増)、純利益は3266万元(同13.6%増)。2021年1〜9月期の売上高は2億5118万元(前年同期比56.8%増)、純利益は3593万元(同43%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

【北京IPO】工業用ハイバリア包装製品の南京滬江複合材料股フェンが18日に上場、公開価格18.68元