長期戦になりつつあるコロナ禍。さらには加速する少子高齢化で、将来への不安を抱える方は多いです。とりわけ定年退職後の老後生活は、少ない年金と貯蓄でまかなえるのか心配になりますよね。

コロナ禍ではボーナスカットや減額が行われた企業も多いですが、公務員は景気の波に左右されないイメージがあります。なかなか聞きにくい退職金事情について、今回は国家公務員に絞ったデータまとめてみました。

一部では平均2000万円あると言われる公務員の退職金。その実情を探ってみましょう。

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国家公務員は何人いる?

公務員には2種類あり、国家公務員とは別に地方公務員も存在します。

国家公務員は現在約58.8万人いて、そのうち人事院勧告の対象となる給与法適用職員は約28.0万人です。ちなみに地方公務員は約275.7万人なので、国家公務員の方が少数であることがわかります

国家公務員が支給される退職金はいくらぐらいなのでしょうか。さっそく見ていきましょう。

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国家公務員の退職金事情

内閣官房の「退職手当の支給状況」によると、令和2年度退職者の「退職理由別退職手当受給者数及び退職手当平均支給額」は下記のとおりです。

常勤職員

  • 受給者数:2万9641人

  • 平均支給額:1023万9000円

うち行政職俸給表(一)適用者

  • 受給者数:7140

  • 平均支給額:1507万4000円

「常勤職員」とはフルタイムで勤務する公務員のことで、「うち行政職俸給表(一)適用者」とは一般行政事務に絞った業種をいいます。

次は退職理由ごとの内訳も確認してみましょう

退職理由:平均支給額(常勤職員/うち行政職俸給表(一)適用者)

・定年:2142万1000円2127万9000円
・応募認定:2551万9000円/2276万円
・自己都合:299万4000円/384万9000円
・その他:1935000円/245万4000円

応募認定とは、早期退職募集制度に基づく退職者のことです。またその他には、任期制自衛官等の任期終了(常勤職員)や死亡等による退職が含まれています。

自己都合やその他は勤続年数がばらけるので、全体の平均では約1000万円にとどまります。しかし定年退職や応募認定を見る限り、「公務員の退職金は2000万円以上」だと言えそうですね。

ちなみに勤続年数ごとで確認すると、「定年退職では30年~34年」、「応募認定であれば25年~29年」勤め上げることで、平均退職金が2000万円を超えるようです。

それでは、実際に退職金を2000万円受給している方は何割なのでしょうか。支給額別の受給者数を次で確認します。

「国家公務員の退職金」支給額別の受給者数

支給額別の受給者数を確認することで、2000万円以上の退職金を受け取れる割合を見ていきましょう。

受給者数:常勤職員/うち行政職俸給表(一)適用者

合計

  • 500万円未満:1万6205人/2116人

  • 5001000万円未満:492人/115

  • 1000万円~1500万円未満:981人157

  • 1500万円~2000万円未満:2819人/759人

  • 2000万円~2500万円未満:7234人/3562人

  • 2500万円~3000万円未満:1374人/413人

  • 3000万円~3500万円未満:96人/16人

  • 3500万円~4000万円未満:41人/0人

  • 4000万円~4500万円未満:169人/2人

  • 4500万円~5000万円未満:105人/0人

  • 5000万円~5500万円未満:54人/0人

  • 5500万円~6000万円未満:26人/0人

  • 6000万円~6500万円未満:39人/0人

  • 6500万円~7000万円未満:4人/0人

  • 7000万円~7500万円未満:1人/0人

  • 7500万円~8000万円未満:1人/0人

  • 8000万円以上:0人/0人

定年

  • 500万円未満:124人/37人

  • 5001000万円未満:97人/11人

  • 1000万円~1500万円未満:510人/19人

  • 1500万円~2000万円未満:2042人/516人

  • 2000万円~2500万円未満:6218人/2940人

  • 2500万円~3000万円未満:1080人/232人

  • 3000万円~3500万円未満:42人/3人

  • 3500万円~4000万円未満:15人/0人

  • 4000万円~4500万円未満:63人/2人

  • 4500万円~5000万円未満:24人/0人

  • 5000万円~5500万円未満:10人/0人

  • 5500万円~6000万円未満:2人/0人

  • 6000万円~6500万円未満:20人/0人

  • 6500万円~7000万円未満:4人/0人

  • 7000万円~7500万円未満:0人/0人

  • 7500万円~8000万円未満:0人/0人

  • 8000万円以上:0人/0人

応募認定

  • 500万円未満:3人/1人

  • 5001000万円未満:13人/3人

  • 1000万円~1500万円未満:24人/11人

  • 1500万円~2000万円未満:269人/87人

  • 2000万円~2500万円未満:799人/573人

  • 2500万円~3000万円未満:279人/175

  • 3000万円~3500万円未満:50人/13人

  • 3500万円~4000万円未満:22人/0人

  • 4000万円~4500万円未満:99人/0人

  • 4500万円~5000万円未満:55人/0人

  • 5000万円~5500万円未満:24人/0人

  • 5500万円~6000万円未満:10人/0人

  • 6000万円~6500万円未満:5人/0人

  • 6500万円~7000万円未満:0人/0人

  • 7000万円~7500万円未満:0人/0人

  • 7500万円~8000万円未満:0人/0人

  • 8000万円以上:0人/0人

自己都合

  • 500万円未満:5795人/976人

  • 5001000万円未満:319人/87人

  • 1000万円~1500万円未満:387人/108

  • 1500万円~2000万円未満:380人/109

  • 2000万円~2500万円未満:131人/10人

  • 2500万円~3000万円未満:2人/0人

  • 3000万円~3500万円未満:2人/0人

  • 3500万円~4000万円未満:1人/0人

  • 4000万円~4500万円未満:0人/0人

  • 4500万円~5000万円未満:0人/0人

  • 5000万円~5500万円未満:1人/0人

  • 5500万円~6000万円未満:1人/0人

  • 6000万円~6500万円未満:0人/0人

  • 6500万円~7000万円未満:0人/0人

  • 7000万円~7500万円未満:0人/0人

  • 7500万円~8000万円未満:0人/0人

  • 8000万円以上:0人/0人

その他

  • 500万円未満:1万283人/1102人

  • 5001000万円未満:63人/14人

  • 1000万円~1500万円未満:60人/19人

  • 1500万円~2000万円未満:128人/47人

  • 2000万円~2500万円未満:86人/39人

  • 2500万円~3000万円未満:13人/6人

  • 3000万円~3500万円未満:2人/0人

  • 3500万円~4000万円未満:3人/0人

  • 4000万円~4500万円未満:7人/0人

  • 4500万円~5000万円未満:26人/0人

  • 5000万円~5500万円未満:19人/0人

  • 5500万円~6000万円未満:13人/0人

  • 6000万円~6500万円未満:14人/0人

  • 6500万円~7000万円未満:0人/0人

  • 7000万円~7500万円未満:1人/0人

  • 7500万円~8000万円未満:1人/0人

  • 8000万円以上:0人/0人

2000万円以上を受け取っている国家公務員は30.8%。うち行政職俸給表(一)適用者に限定すると、55.9%と半数以上に上ります。ボリュームゾーンが「2000万円~2500万円未満」という点からみても、「国家公務員の退職金は2000万円」と言われるのにもうなずけます。

老後の備えは誰でも等しく必要

国家公務員の平均退職金を眺めてきました。2000万円は1つの目安といえそうです。高く感じるかもしれませんが、実際にはおおむね5年ごとに民間の水準に合わせるよう改定が行われます。実際平成30年の調査では、公務員全体の数字でも半分以上が2000万円を超えていたので、ここ最近は減少傾向にあるようです。

将来に向けての備えは、誰でも等しく必要になるでしょう。退職金だけをあてにするのではなく、貯蓄計画はしっかりたてていきたいですね。

参考資料