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 犬はその発達した嗅覚で、新型コロナウイルスを高精度で嗅ぎ分けることができる。アラブでは既に空港で実用化がなされているが、現在各国でウイルス探知犬の実用化が進められている。

 アメリカでも既にウイルス探知犬の実用化が始まっている。マサチューセッツ州では、2匹の訓練を受けたラブラドールが州内の学校や市庁舎などを巡回し、感染者をいち早く見つけ出したり、ウイルスが検出した場所を特定し、消毒を促しているという。

【画像】 マサチューセッツ州で2匹のコロナ探知犬が活躍

COVID Detecting Dogs Begin Working In 3 Massachusetts School Districts

 生後14か月になるラブラドールの兄弟犬ハンターとデュークは、去年からマサチューセッツ州の15の学校を巡り、コロナ探知犬として働いている。

[もっと知りたい!→]犬は匂いを嗅ぐだけで、新型コロナ感染者を94%の確率で嗅ぎ分けられることが判明(ドイツ研究

 2匹の所属する同州ブリストル郡保安官事務所は、去年フロリダ国際大学のグローバル法医学司法センター(FIU)に2匹を送り、トレーニングプログラムに参加させた。

 FIUでは、1993年から犬が菌類やウイルスといった異なるにおいの特徴を特定できるようになるための訓練に取り組んでおり、2020年にはコロナウイルスをそのリストに追加した。

 この研究では、犬がコロナのにおいを99.6%という精度で検出できることが明らかにされており、FIUでは訓練を受けた犬たちを現在では学校のキャンパスやマイアミ国際空港などにも派遣している。

 去年7月にトレーニングを卒業したハンターとデュークは、事実上コロナ探知犬としてアメリカ初の法執行機関所属のK9となった。

 2匹は学校の他にも、警察署、地域の保健局、市庁舎、オフィスビルなどで感染者を発見する為の任務を遂行している。

学校では大人気の2匹

 ブリストル郡保安官事務所の公務担当官ジョナサンダーリンさんは、このように述べている。

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2匹は非常にいい活躍をしてくれています。新型コロナウイルスのにおいを嗅ぎつけると、その前で座るよう訓練されていて、その仕草でハンドラーに警告をします。

対象が人の場合もあれば場所の場合もあります。場所の場合、そのエリアを消毒の対象としてマークできるようになります。

仕事から離れると、2匹はとても甘えん坊で、ハンドラーにキスしたりしてとってもかわいいですよ。

学校では、とにかく生徒や先生たちに大人気で、みんなハンターやデュークを見ると笑顔になります。

コロナに対して、全ての人を安全に保つよう助けることにくわえ、誰かの顔に笑顔をもたらすことができれば、とても価値あるものと言えるでしょう。

 ただ、コロナ探知犬はコロナ検査の代用としては使用されていないことを明確にしている。

ビーグルのコロナ探知犬も活躍中

 こうしたコロナ探知犬の活躍は、ニューヨークでも盛んだ。

 去年10月、ニューヨークチャイナタウンにあるペットサービス会社BARKは、フロリダにある企業Bio Scentに連絡し、訓練を受けたビーグル犬を派遣してもらった。

 それは、BARKのオフィス内がロックダウン後の事業再開にあたり、清潔であることを確認するための準備だったが、果たしてビーグルのコロナ探知犬は、非常に役に立ってくれたとBARKスポークスマンのステイシー・グリッソムさんは話している。

 Bio Scentの創設者ヘザー・ジャンキーラさんによると、Bio Scentにはウイルスを嗅ぎ分けるために特別に訓練された22匹の子犬がいるという。

 しかしジャンキーラさんいわく、一度ウイルスを検知できるよう訓練された犬は、他のにおいを検出するために再訓練することができないという欠点があるということだが、今しばらくはアメリカでこうしたコロナ探知犬たちの活躍が続きそうだ。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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感染者をいち早く見つける為、学校を巡回する新型コロナウイルス探知犬