TOKYO MX地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。1月10日(月・祝)放送の「フラトピ!」のコーナーでは“成人年齢18歳引き下げ”について深掘りしました。

2022年4月より成人年齢が20歳から18歳に引き下げ

今年4月、成人の定義が140年ぶりに変更。成人年齢が20歳から18歳に引き下げになります。

そこでまずは18歳成人が「できること」と「できないこと」を精査。できることは、親の同意なくクレジットカードローンの契約、結婚も男女ともに18歳以上で可能に。さらには性同一性障害のある人の性別変更の申し立てや10年有効のパスポートの申請、公認会計士などの国家資格を取得することができます。

一方、できないことは、飲酒や喫煙、公営ギャンブルなどで、これらは20歳以上のままとなっています。

成人年齢の引き下げによる懸念点もあり、その1つが「消費者被害の拡大」。現在、未成年者の親の同意のない契約は「未成年者取消権」によって取り消すことができますが、4月以降は18歳、19歳はそれを行使できなくなります。これに対し、政府は対策として学校での消費者教育の推進を掲げ、4月からは高校の授業に資産形成を導入。さらには、消費者ホットラインの充実なども挙げています。

NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、これまで18歳、19歳の人たちは自立しようにも自分で家も借りられない、携帯も契約できない状態だったこともあり、「成人年齢引き下げは、ものすごく意義のあることだと思う」と評価。一方で、数年前に北海道・札幌で高校生の母親が2歳の女の子を衰弱死させてしまった事件を回顧し、「本来であれば、支援が必要な10代後半の子どもとして対応しなかればいけなかったところを、妊産婦として制度的に対応した結果、防げなかったという問題がある」と指摘。

「行政が支援しなければいけない人たちが成人と見なされ、本来必要な支援が届かなくなる可能性も孕んでいる」と危惧し、「(成人が)18歳に引き下げられたからといって、一律に大人として扱うのではなく、状況を踏まえてしっかりと支援していくことも同時に必要」と注意を促します。

少年法改正、18歳実名報道は本当に必要なのか?

成人年齢引き下げに合わせ、少年法も改正に。改正少年法では18歳、19歳を「特定少年」とし、引き続き少年法を適用。しかし、殺人や放火、強盗事件などについては20歳以上と同様に刑事裁判実名報道が行われます。これらは犯罪抑止に効果があるとされていますが、実名報道は更生の妨げになるという声もあがっています。

実名報道について、生理への理解を広げる団体「#みんなの生理」共同代表の谷口歩実さんは、18歳、19歳で犯罪行為をした場合、その後の人生のリスクを案じ「本当に実名報道をする必要があるのか、議論の余地があるのではないか」と慎重な姿勢を示します。

キャスターの堀潤も「今は報道して終わりではなく、それがインターネット上でデジタルタトゥーとして残る。それを覆そうと思うと膨大なコストがかかる」と注意喚起。谷口さんも「SNSに出てしまうと、ほとんど取り返しがつかない。18歳、19歳を実名報道するのは、あまりにもリスクが大きいのではないか」と自身の見解を述べます。

一方、大空さんは、実名報道が本当に必要なのか議論することは重要としつつ、「これはメディア側はできる。法律で(実名)報道しなさいと言っているわけではない。これはメディア側の問題であり、メディアのなかでしっかり議論していくべき」と主張すると、メディア人である堀も大いに納得します。

◆選挙権・被選挙権の引き下げ、そこに関わる問題とは?

世界の成人年齢を見てみると、OECD(経済協力開発機構)加盟国38ヵ国のうち、イギリスドイツカナダなど30ヵ国以上が18歳としています。そのほかには、ニュージーランドが20歳で、韓国は19歳。ただ、韓国は今年の3月から被選挙権が25歳から18歳に。なお、選挙権も2020年に19歳から18歳に変更されています。

こうした選挙権・被選挙権について、キャスターの田中陽南は「主権者教育をしていく上で自分が参加できる権利を持つことは大切」と引き下げに賛同。

谷口さんも「18歳で選挙に出られるかもしれない、その可能性を示すのは大きなこと」と言います。ただ、18歳で数百万円かかる供託金を払えるかというとそう簡単にはいかないため、「いかに社会のなかで機会を平等化していくか議論する必要がある」と憂慮。

大空さんも「18歳で(選挙に)立候補できる人というのは、本当に恵まれた人たちだけ」と谷口さんに同意し、「供託金を下げる、もしくは同世代に恵まれない、余裕のない人たちがいるという教育をやらなければいけない。それがないままで単に被選挙権を18歳に引き下げようみたいな表面的な議論をしてはいけない」と提言。

さらには「感覚として、同世代で苦しんでいる人がいること、例えばひきこもりいじめ成人式にも行けない人がいる。そうした状況を知らない人がたくさんいる。まずはその状況を変えなければいけない」と訴えます。

堀は、今こそ参議院の改革を進めてほしい」と懇願。というのも、ジェンダバランスのクォータ制度などがあるなか、議員の年齢にはまだまだ偏りがあるから。「熟考したいのであれば、いろいろな世代から集まればいい。議員数を年齢別で区切り、そこでみんなで議論する。それで衆議院に全然違う視点があると突き返す、それぐらい大胆にやってほしい」と望んでいました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter@morning_flag

2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げ…その影響、懸念点とは?