カラパイアの元の記事はこちらからご覧ください

 様々な事情を抱え、路上生活を余儀なくされたホームレスたち。孤独となった彼らの心のより所は、犬だ。犬がもっているものさしは「愛情」のみだ。地位や名声、お金がなくても愛情さえあれば、たっぷりの愛情を返してくれる。

 コロンビアの路上で、過去に身体的虐待を受け、それから逃れるためにホームレスになったという男性が2匹の犬にパーティーハットをかぶらせ、ケーキを用意し、バースデーソングを歌い誕生日を祝っている姿が目撃された。

 どうやら、2匹の犬のうちの1匹が誕生日だったようだ。なけなしのお金で、彼ができる精いっぱいのやり方で、犬を祝福したのだ。

【画像】 路上で犬の誕生日を祝う男性

Viral Video: Homeless Man Celebrates Birthday With Dogs

 1月8日夜遅く、コロンビアサンタンデール県ブカラマンガ市内の路上で、チョコと呼ばれている1人のホームレス男性と2匹の犬が誕生日を祝う姿が捉えられた。

 階段に腰かけているチョコさんは、傍に座っている2匹の犬の頭にパーティーハットを乗せ、ビニール袋から白いケーキを取り出した。

 キャンドルをケーキに立てると、ハッピーバースデーの歌を歌い出し、犬たちの体をいとおしそうにさする男性。

1

 更にキャンドルに火を灯し、それを吹き消すと、順番に2匹の犬に愛情を込めたキスをする。

2

 その後、ケーキを切り分け、まずは黒い犬に1切れ、茶色い犬に1切れ与え、食べるように促す。更に自分の皿にケーキを乗せると、涙を拭くような仕草を見せた。

 男性は自分の皿に乗せたケーキも、ちぎって犬に与えていた。

3

 犬とケーキを分け合って食べるチョコさんの姿は、地元のジャーナリストが撮影したそうで、この映像がSNSに投稿されると、瞬く間に拡散した。

 犬をいたわる男性の愛情が痛いほど伝わってくる映像だ。彼は2匹の犬たちに辛い日々を支えられてきたのだろう。

 だからこそ、犬の誕生日には自分にできる最大限のことをして、彼らを祝福したかったのだ。

・合わせて読みたい→命がけでピットブル犬を救おうとしたホームレス男性、感動の再会を果たす。

黒い犬の4歳の誕生日だった

 チョコさんは、ブカラマンガ市のバランキージャにあるカベセラ地区で路上生活をしており、住民らにもよく知られた存在だ。

 この動画を見た多くの地元住人は、その感動を伝えるために、チョコさんがよく行くサンピオ公園を訪れた。

 チョコさんの犬を思う深い愛情を称えると共に、彼らに必要なものを寄付していったという。

 チョコさんによると、10年間一緒にいる茶色の犬ネナの誕生日は11月だが、シャギーという黒い犬が今年1月に4歳の誕生日を迎えたため、その日一緒に誕生日を祝っていたという。

 過去に身体的虐待を受け、それから逃れるためにホームレスになったというチョコさんにとって、長年の路上生活では2匹の犬が大きな心の支えとなっているようだ。

 音楽が好きで、将来はいつか動物保護施設を開設したいという夢を持つチョコさん。

 今回の動画がきっかけで、寄付の申し出をたくさん受け、インスタグラムアカウント『joseluis.matos.7906』を開設したところ、フォロワーは既に15万人に達したそうだ。

written by Scarlet / edited by parumo

 
画像・動画、SNSが見られない場合はこちら

ホームレスの男性がなけなしのお金でケーキを買い、犬の誕生日を祝う