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 「このパブで良いお酒が飲めると聞いて...」と言ったのか言わないのかはわからないままに、新年早々、イングランド内陸部のパブの前に、はるばるスコットランドからやってきたアザラシの子供が突然現れた。

 これにはパブのオーナーもお客さんもびっくり。かわいい珍客に興味津々になりながらも、オーナーはすぐに当局へ救助を要請した。

 保護されたアザラシは、治療と休養のためにしばらく保護施設へ預けられることになったようだ。

【画像】 「あいてます?」アザラシの子供がパブの前に突如出現

A Scottish seal pup made a 400-mile trip to the door of a Bristol pub | SWNS

 1月2日、サウス・グロスターシャー州ハナムにあるパブ『The Ola Lock and Weir』のスタッフや数人の客は、パブの外に1頭のアザラシの子供がいるのを発見した。

 「どこからやって来たのか?」「どうしてここに?」人々は突然現れたアザラシに驚きながらも、パブの所有者ダニエル・ローリンズさんはすぐにRSPCA(英国王立動物虐待防止協会)に連絡した。

 その後、RSPCAはBritish Divers Marine Life Rescue Serviceに救助の要請をしたが、彼らがパブに到着するまで時間がかかった。

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 その間、アザラシはパブの厨房エリアに姿を現し、キッチンスタッフのジョン・ジェフリーズさんを驚かせた。

 RSPCAにアザラシを傷つけないよう、水に触れさせておいてほしいとアドバイスを受けたローリンズさんやジェフリーズさんは、動き回ろうとする子供のアザラシを一か所に留まらせることにかなり苦労した。

 しかし、幸い雨が降っていて地面が濡れていたこともあり、濡れたタオルを置いて、アザラシが水に触れることができるよう最善を尽くしながら救助隊の到着を待った。

パブで、赤ちゃんアザラシに出会うことなんてそうそうないし、驚きました。

パブのお客さんも普段は見られない光景に遭遇し、窓から野生生物を見て喜んでいたようです。アザラシは人馴れしているようにも見えました。(ジェフリーズさん)

はるばるスコットランドからやってきたアザラシ

 駆け付けた救助隊がアザラシにタグが付いていることを確認。

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 タグの情報によると、アザラシ6月21日スコットランドでタグ付けされた、“ネオプレーン”という名の1歳に満たない子供のアザラシであることが判明した。

 ネオプレーンは、タグ付けされた時点では体重が33kgあったようだが、今回救助隊が計るとわずか14.8kgしかなかった。長旅でずいぶん痩せてしまったようだ。

 平均体重よりも軽く、ウイルス性皮膚病にも感染して脱毛を引き起こしていたネオプレーンは、保護された時にナチョと改名され、治療と休息のためにサマセット州トーントンにある野生生物保護施設『RSPCA West Hatch Wildlife』へと搬送された。

 とんだ珍客到来で慌ただしい時間を過ごしたパブ側だったが、ナチョを見送ったローリンズさんとジェフリーズさんは、

まさかスコットランドから来ていたなんてびっくりです。まだ小さかったようだし、長旅で疲れきっていたのでしょう。とてもかわいくて人懐っこかったです。我々をすごく幸せな気分にさせてくれました

 と語った。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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