逮捕

たまたま犯人らしき男と少し似ていたせいで…。署に連行された男性が取り調べの様子、その後の耐え難い状況を激白したことを、『Metro』など海外のメディアが伝えた。


■事件発生後に疑われ…

アイルランドで、小学校教諭として働いていた20代女性が殺害される事件が発生し、大規模な捜査がスタートした。

その過程で、警察は現場近くに設置してある監視カメラの映像を入念にチェック。自転車で移動する怪しい男を確認し、容姿がやや似ている男性(40)の存在を知り身元を突き止めた。

その直後、警官たち数名が男性宅に到着。何も知らず玄関に出た男性は、何事かとショックを受けた。


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■署に連行された男性

監視カメラに映る男より小柄で、肌色や髪型も明らかに違う同男性。しかし女性が襲撃された現場近くに行った事実があったこと、また容姿が「やや似ている」ということから、犯人と疑われた。

戸惑っているうちに男性は身柄を確保され、署に連行された。男性はいきなりの展開に驚き、「誰かが仕掛けたイタズラかな」とさえ思っていたという。

■取り調べを受けるはめに

署に到着後、男性は「女性を殺しましたか」といった質問を数時間にわたって受けた。「自転車はどこですか」とも聞かれたが、そもそも自転車に乗らない男性は「持っていません」と答えるしかなかった。

男性は監視カメラの映像があることを警官に聞かされたが、その時間には街で買い物中だったという。車で店まで送った友人夫婦も「男性の話にウソはない」と認め、店の防犯カメラにも男性が映っていたことから容疑が晴れた。


■SNSの写真拡散で窮地

誤認逮捕だったにもかかわらず、「女性を殺した犯人」として男性の個人情報が拡散。多くのSNSユーザーが「凶悪な殺人犯」として男性の写真をシェアしたため、それを信じた多くの人が「ぶっ殺す」という脅迫メッセージを続々と男性に書き送っている。

評判を傷つけられ苦境に陥った男性は、警察を訴えることを検討中だとメディアに明かした。

何も悪いことをしていないのに、いきなり容疑者として逮捕されてしまったとしたら…。男性の経験を報道で知った人たちからは、「SNSのせいで悪評はもう覆せない」「警察は捜査しただけ、責められない」という声があがっている。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

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