国の「令和3年度子育て世帯への臨時特別給付金」10万円がシングルマザーなど実際に子どもを養育している世帯に届いていない実態があるとして、ひとり親の支援団体が1月18日、10万円給付を実際に子育てしている世帯に届けるよう内閣府などに要望書を提出した。

10万円給付は「2021年9月分の児童手当の受給者」が対象であるため、同9月以降に離婚し、受給対象でなかった親が子育てしている場合だと受け取れないことがある。

一般社団法人「ひとり親支援協会」が実施したアンケート調査およびヒアリング調査では、「11月末に離婚し、相手の口座に入り、受け取れない」「国の制度なので市ではなんとも言えませんと言われた」などの当事者の声が寄せられた。

2021年9月以降にDVを理由に離婚し、小学生3人の子どもを育てる女性(30代)も10万円給付(計30万円)をもらえておらず、東京・霞が関厚労省記者クラブで開かれた会見で、「(給付金は)子どものために使って欲しいというものだったはず。自分のように給付が届いていない子育て世帯にも届くよう改善して欲しい」と訴えた。

役所に相談しても「当人同士で解決して」

調査は、同協会のホームページ上でアンケート形式でおこなうとともに、ヒアリングも実施。実際に給付が届いていない子育て世帯計58人から回答を得た。

調査では、2021年9月以降に離婚した人や離婚していないものの別居中の人などから、給付金を受け取れていないと訴える声が寄せられた。

「9月時点では夫が世帯主でした」「12月中旬に離婚していて、元夫に支払われる」など、「2021年9月分の児童手当の受給者」という要件に引っかかり、実際に子育てをしている母親が受け取れないという声が多かった。

また、「受け取り手が別居中の夫であり、子どもを育てている自分へ渡してくれない」「離婚調停中で、夫へ振り込まれると説明を受けた」など、離婚してはいないものの、現実には子どもの元に行き渡らない状況を理由としてあげる声もあった。

給付金を受け取れなかったことについて、役所やコールセンターに相談した人もいる。しかし、「折り返しますと言われたまま、前夫に振り込まれてしまった」「当人同士で解決してくれとそれしか言われなかった」「主人に連絡をしてもらうしか解決策はないと言われた」など、十分な対応をしてもらえなかったという声が調査ではあがった。

同協会代表理事の今井智洋さんは「給付金を受け取れなかった多くの人は泣き寝入りしている状況です。DVなどを受けていると特に声を上げづらいでしょう」と話し、当人同士で解決することが困難なケースが少なくないことを指摘する。

「子育て世帯への給付金なのですから、実際に養育している親に給付して欲しいです」

2021年9月以降に離婚したケースについては、元夫の支払いを止めて、子育てしている母親に支払っている自治体もあるという。

今井さんは「もっとも実施している自治体は10にも満たない状況です。役所がやろうと思えばできるはずです。広く実施して、実際に子どもを養育している世帯に給付金を届けて欲しいです」と訴えた。

子ども10万円給付、離婚で「受け取れなかった」 役所は「当人同士で解決して」泣き寝入りするケースも