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 今や子供のなりたい職業にランクインするほど花形ともなったYouTuber(ユーチューバー)は、ご存じ、Youtubeの動画配信者のことだ。

 「カリスマ配信者」ともなれば、その収入はけた違いだが、ユーチューバーだけで生計を立てられるのはほんの一握りという厳しい現実もある。

 だが、辛い就職試験を受けなくとも、誰もが簡単にユーチューバーになれるという魅力はある。ここでは、『Forbes』がまとめた、昨年のアメリカのユーチューバー高額収益者トップ10を見てみよう。

 第1位は、23歳にしてユーチューバー史上最高額となる5400万ドル(約62億円)を稼ぎ出した「MrBeast」を運営する、ジミードナルドソンで、女性トップは7歳の少女、ナスチャちゃんで2800万ドル(32億円)だ。

 

【画像】 2021年、過去最高となったユーチューバーの総収入

 2021年のユーチューバの総収入は、およそ3億ドル(343億円)になり、前年よりも40%もアップしていて、過去最高となった。

 これは、Youtubeチャンネルの再生回数が増え、投稿動画から得られる広告収入が増加したことがおもな原因だ。

 Youtubeを閲覧する人の数もダントツに増えている。このプラットフォームのユーザー数も、5年間で40%増え、20億人に迫ろうという勢いだ。

[もっと知りたい!→]【動画】YOUTUBEに一番最初に投稿された動画って何?

 ユーチューバーたちの収益の半分は、広告収入だ。さらに、収入を増やすために、ユーチューブ長者たちは皆、ブランド化した自身の商品ラインを持っている。

 Twitch(アマゾンが提供するライブストリーミング配信)、Snap(写真共有アプリ)、フェイスブックポッドキャスト、NFT非代替性トークン)、ハンバーガーチェーンまで、さまざまな方法で副収入を得る試みを行っている。

 古いYoutubeの動画の権利を買い取る、ロサンジェルスの新興企業「Spotter」と有利な契約を結んだ者もいる。

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photo by Pixabay

 算出方法は以下のように割り出したそうだ。

Youtube収益算出方法

2021年1月1日から12月31日までの、ユーチューバーの収入を計算して評価したもの。代理人、マネージャー、弁護士などの費用を控除していない税引き前の金額。

収益評価は、Captiv8(インフルエンサーデータベース)、SocialBlade(ソーシャルメディア関連の数値を統計的に表し、分析するサイト)、Pollstar(音楽業界誌)のデータ、および業界関係者へのインタビューに基づいている

 それではその、驚くべき収益を見ていこう。

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2021年、ユーチューバー長者番付トップ10

1位. MrBeast (ジミー・ドナルドソン) :5400万ドル(約62億円)

 再生回数の急上昇のおかげで、彼の2021年の収入は前年のおよそ2倍になり、ナンバー1に躍り出た。

 2021年の注目プロジェクトは、このユーチューブ長者と提携した全国1600のレストランから、ミスタービーストブランドの料理を注文することができる、アプリとメニュー「ミスター・ビースト・バーガー」だ。

 彼がマーケッティングを担当し、およそ9000万人の登録者にこのバーガーを売り込んでいる。本人とレストランは、これまでに500万個のサンドウィッチを売り上げ、利益を分配している。

2位. Jake Paul(ジェイク・ポール):4500万ドル(約51億円)

 2018年に2150万ドルを稼いだ男が、この番付に帰って来た。ジェイク・ポールの収入の多くはボクシングによるもの。

 昨年は、ベン・アスクレンと1試合、タイロンウッドリーと2試合と、MMAファイターと3試合を行い、いずれも勝利して注目を集めた。

 もっとも人気のあるユーチューバーのひとりでもあったが、2017年12月に兄のローガンが、自殺の名所として有名な日本の場所を撮影した動画を投稿したことで状況が変わった。

 映像に自殺者の死体が写っていて、ローガンが不敬な態度をとったりしたため、視聴者から反発を受け、その影響がジェイクにも及んだのだ。スポンサーに切り捨てられ、ユーチューブにも嫌われた。

 今はまた、Youtubeの広告収入で稼ぐことができるようになったが、ジェイクの投稿頻度は以前よりも減り、収入の90%近くを占めるようになったボクシングのキャリアを売り込むために、おもにサイトを利用している。

3位. Markiplier(マークプライヤー):3800万ドル(約43億円)

 マークプライヤーのような商品の売り込み方をするソーシャルメディアはほとんどない。とくに、彼のUnus Annusシリーズに関連したTシャツ、パーカーなどの商品の売り上げは好調で、前回の番付2倍近くにもなったおもな理由となった。

 Unus Annusの動画は、ユーチューバー仲間のイーサン・ネスター=ダーリングとのコラボで、2019年から、マークプライヤーのユーチューブチャンネルで配信されたが、一年後に、彼は意図的にそれらすべてを削除した。

 次に彼は、テレビスターとして生まれ変わることを望んでいる。2021年には、彼が2019年にポッドキャストとして初めてドラマ化した、世界滅亡後を描いたスリラー「The Edge of Sleep」のテレビ用作品を撮影した。

 今年の後半にはネットフリックスHuluなどに、シリーズを売り込みたいと考えている。

 登録者数3100万人の人気ユーチューバーであり、ピザ屋をテーマにしたホラービデオゲーム「Five Nights at Freddy’s」などを自分でプレイして記録することで、名声を確立した。

4位.Rhett and Link(レットとリンク):3000万ドル(約34億円)

 トーク番組「Good Mythical Morning」を主催していた二人組だが、スピンオフやブランドの拡張を行い、Youtubeで再生回数と稼ぎを押し上げて、ある種の帝国を作り上げた。

 とくに彼らが成功したもののひとつは、べつの司会者ジョシュ・シラーがいる料理番組「Mythical Kitchen」シリーズ。

 2年続いているこの番組は、Youtubeですでに180万人の登録者がいる。ほかのユーチューバーに500万ドルを投資する「Mythical Accelerator」基金の活動も行っている(2021年に初めて、新進気鋭のジャービス・ジョンソンに未公開の金額を拠出した)。

 10月には、ファミリー向けサービスはやめてというファンの長年の要望に応えて、明らかにR指定の2時間のライブストリームを開催、7万枚のチケットを1枚50ドルという値段で売りさばいた。

5位. Unspeakable(アンスピーカブル):2850万ドル(約32.6億円)

 今や幼児に欠かせない人気ビデオゲームマインクラフト」のこととなると、アンスピーカブルは饒舌だ。

 彼が自ら「マインクラフト」などのゲームをプレイする、独自の4つのユーチューブチャンネルには、2000万人以上が登録している。ほかにも、生きたワニで部屋を埋め尽くす動画などがある。

 ヒューストン生まれ、本名ネイサン・グラハム。この10年、Youtubeに地道に投稿し続けてきた。昨年、彼は自分のYoutube動画カタログをSpotterに売却した。

 投稿動画で広告収入が入ってくるのを待つよりも、手っ取り早くビジネスを成長させられるとふんだのだ(Spotterは現在、Youtubeコンテンツの最大の独立系オーナーのひとつで、アンスピーカブルとのカタログ取引のようなことをいくつか行っている)。

 いずれにしても、Spotterが払った金額は、ここでアンスピーカブルがデビューするのに十分なものだった。

6位. Nastya(ナスチャ):2800万ドル(約32億円)

 昨年、Spotterとも取引し、彼女の古いユーチューブ動画をSpotterに売ることで、新たな動画を撮る権利を得た。

 両親とともにロシアから移住してきたナスチャは7歳の少女。日々のなんのことはない生活を記録した「Like Nastya」チャンネルには、8750万人が登録している。Spotterの資金に加え、商品ラインやNFTコレクションなど、彼女のブランドの拡張を精力的に行っている。

7位. Ryan Kaji(ライアン・カジ):2700万ドル(約30億円)

 ライアンは、わずか4歳のときにYoutubeで、おもちゃのレビューと実際に遊ぶ動画を投稿し始めた。

 今は10歳になったが、両親や、ディズニーの元幹部クリスウィリアムスなど、彼のビジネスを補佐する面々が、年齢とともにおもちゃで遊ばなくなった彼のブランドを維持することに力を注いでいる。

 そのためにカギになるのは、ライアンと共演するアニメのキャラクターかもしれない(キャラクターのひとり、レッドタイタンは、深紅のマントを羽織り、ライアンに似た子供のスーパーヒーローで、この2年間、メーシーズの感謝祭パレードの風船として登場するほど有名になった)。

 今のところ、彼のメインのYoutubeチャンネル「ライアンの世界」には、3100万の登録者がいて、ターゲットウォルマートなどの大型小売店で販売されるブランド商品とおもちゃの膨大な品ぞろえを維持している。

8位. Dude Perfect(デュードパーフェクト):2000万ドル(約23億円)

 このスポーツコメディ5人組(双子のコビーコーリーコットン、ギャレット・ヒルバート、コディ・ジョーンズタイラー・トニー)にとっては、危険行為は金のなる木なのだ。

 彼らの動画は、水中で183キロのベンチプレスをやったり、飛行中に飛行機の翼の上を歩いたりするような危険極まりない映像が満載だ。

 この夏、24の都市で三度目のライブツアーが行われる予定で、そのエキサイティングなプレイを間近で見ることができる。家でできるスタントのために、昨年、写真つきの250ページに及ぶ解説本『101 Tricks, Tips, and Cool Stuff』まで出している。

9位. Logan Paul(ローガン・ポール):1800万ドル(約20億円)

 2017年以降、弟のジェイクと同様、スキャンダルで一時締め出されていたが、この番付に戻って来た。

 ローガンボクシングに軸足を置いて生計をたてている。昨年6月に、元チャンピオンフロイド・メイウェザーと試合をしたが、エキシビションファイトだったため、正式な勝敗はつかなかった。

 ローガンはイメージの回復を目指しながら、昨年の2月に500万ドルの売り上げを達成して、セレブ初のNFTリリースを行った。

 彼のポッドキャスト「Impaulsive」は、この1年で、1億回以上のYoutube再生回数を記録している。

10位. Preston Arsement(プレストン・アルセメン):1600万ドル(約18億円)

 プレストンはいくつかのYoutubeチャンネルをもっているが、もっとも人気がある「PrestonPlayz」が彼についてのすべてを物語っている。

 たくさんのビデオゲーム、おもに「マインクラフト」をプレイしている。1200万人近くが、4年前にできたチャンネルに登録していて、彼は話題性をキープするのがうまい。

 最近の動画のひとつでは、イカゲームの課題をプレイできる「マインクラフト」バージョンを作った。

written by konohazuku / edited by parumo

 
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