アメリカで10日、ドナルド・トランプ大統領に対する殺害予告の電話をかけたとして、ニューヨーク市内クイーンズ地区在住の高齢者が逮捕された。事件の全貌を現地メディア『Daily News』が報じている。


■数度の殺害予告

ブルックリン地区の検察によると、殺害予告の容疑者であるトーマス・ウェルニキ(72)は2020年7月、合衆国議会警察の取り調べに対し「もしトランプ氏が大統領選挙で敗れても辞任を拒否する場合、武器を取り、必ず彼を引きずり下ろす」と答えていた。

またそれ以前の昨年1月には、ウェルニキはアメリカ合衆国シークレットサービスロングアイランド支部宛に、トランプ氏と12名の上院議員に対する殺害予告のボイスメッセージを送っている。

ウェルニキはメッセージの中で度々「トランプ氏と12匹のサルを引きずり下ろせるなら、私はなんだってする。これは脅迫だ、捕まえられるならやってみろ」と述べていたという。


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■辞任後も続く脅迫電話

トランプ氏が辞任した後も、ウェルニキの脅迫は続いた。昨年11月、シークレットサービスに再び電話をかけ「トランプ氏の死のためなら、あらゆる手を尽くそう」と話し、トランプ氏を「ヒットラー」と称した。

後日、シークレットサービスに対し電話をかけたことを認めたウェルニキは拘束され、今年1月10日午後に、ブルックリン地区の連邦裁判所に姿を現した。


■脅迫事件に危険信号

裁判で、米連邦検事のヴィクター・ザパナ氏は「こうした殺害をにおわせる脅迫類の事件は、取り返しがつかないほど危険です。安易に捉えるべきではない」と述べ、その危険性を訴えかけた。

ウェルニキはその後、日本円にして約570万円の罰金が課せられ、監視付きで釈放が認められたという。

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(文/Sirabee 編集部・多田一喜

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