北京市、上海市、広州市、深セン市の4都市は中国で最も経済的に発展している都市だ。北京市は1月6日、「2021年における域内総生産(GDP)が4兆元の大台を突破したと見られる」と発表し、中国で初めて経済規模が4兆元を超えた都市となった。1元=0.16ドルで計算すれば、4兆元は約6400億ドルに相当する。

 上海市はまだ21年のGDPを発表していないが、20年のGDPは北京市以上であったことから、上海市も21年に4兆元を超えたことは確実視されている。中国メディアの網易はこのほど、中国で最も経済規模の大きな都市である上海は「現時点で東京にどれだけの差をつけられているのか」と問いかける記事を掲載した。

 記事は、東京は単独で世界の多くの国のGDPを上回る経済規模を持つ都市だとし、その金額は1兆ドル規模に達すると紹介。過去には1兆2600億ドル規模だった時期もあるほどで、東京の経済力は世界の多くの「国」を超えており、まさに「富可敵国」だと指摘した。「富可敵国」とは中国語で「国家に匹敵するほどの財産を持つ」という意味で、非常に豊かな様を指す言葉だ。

 続けて、現時点ではまだ東京の経済規模が上海を大きく上回っていると指摘する一方、1999年当時は東京のGDPが8035億ドルもあったのに対し、上海はわずか510億ドルしかなかったと紹介。当時の上海のGDPは東京の約16分の1ほどしかなかったが、約20年で上海は東京の約6割ほどまで成長したと指摘した。

 さらに、日本経済は近年低迷を続けており、しかもコロナ禍で2020年はマイナス成長となり、21年の成長は小幅にとどまったと強調。東京は日本経済の中心地として、ヒトもモノもカネも多く集まっていながら成長率は3%ほどに過ぎないと指摘する一方、上海の成長率は10%近くに達していると紹介、成長率の差を考えれば今後10年ほどで上海と東京の経済規模は逆転するだろうと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

国家に匹敵するほどの経済規模を持つ東京、上海との差はどれほどか=中国