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オーストラリアの沖合で、クジラ子どもの尾びれに網が絡まっているのをツアーを行っていたスタッフが発見した。そこに現れたのはクジラですら捕食対象とするシャチの群れで、スタッフは「このクジラの子はだめかもしれない」と胸を痛めていた。ところがシャチらはクジラの子の周囲を泳ぎ、まるで尾びれに絡まった網を外そうとするかのような行動を見せたのだ。最終的に網は外れ、シャチクジラを襲わずに去っていったという。『Northern Beaches Review』などが伝えている。

驚きの光景が撮影されたのは今月10日、西オーストラリア州南部ブレマー・ベイ沖で当時ホエールウォッチングのツアーを行う会社「Whale Watch Western Australia」が船を出してツアーを行っていた。

この船に同乗していたスタッフのゲマ・シャープさん(Gemma Sharp)は、クジラの姿を探していた時に何かを追いかけるシャチを発見した。しばらく観察を続けると、シャチ子どものザトウクジラを追いかけていることが判明した。

通常この時期のザトウクジラは南極付近に生息しており、同エリアで見かけるのは珍しいという。そんなザトウクジラの姿にゲマさんは「クジラシラミが付着しており痩せていたことから、体調の悪いザトウクジラの可能性があることが分かりました。ザトウクジラが尾びれを上げた時に、緑色の網が絡まっているのが見えて胸が痛みましたね」と当時を振り返った。

そして弱っていたこのザトウクジラの周りに、3頭のシャチが集まってきた。この3頭は同エリアに棲みついているシャチで、“フックフィンHookfin)”、“ブレード(Blade)”、”メイトリアーク・クイーンMatriarch Queen)”という名前で親しまれていた。この状況にゲマさんは「ザトウクジラシャチの捕食対象なので、弱ったザトウクジラシャチが近づいてきたのを見た時は食べられてしまうと思いました」と心配したという。

最初にこのクジラを見つけたフックフィンは、ザトウクジラの近くで体を回転させたりしていた。その後に到着したブレードクジラの尾びれの真下で絡まっている網を確認するかのように泳ぎ、尾びれに突進するかのような行動を見せたそうだ。

それからメイトリアークがやって来て同じように尾びれに向かって泳ぎ、海面に白い波しぶきが立ったかと思うと、そこにはザトウクジラの尾びれから外れた緑色のネットが浮かんでいたのだ。

目の前の弱ったエサを襲わずに去ったシャチたちの行動にゲマさんは目を疑ったそうで、「その後、3頭のシャチはザトウクジラに興味を失ったようで、一緒になってザトウクジラから泳ぎ去っていったので驚きました」と明かした。

シャチがいなくなるとザトウクジラはゲマさんが乗る船の周りをぐるっと泳ぎ、ゲマさんが尾びれの状態を確認すると去っていったという。

ゲマさんは今回の件を振り返り、興奮冷めやらぬ様子でこう語っている。

シャチがザトウクジラから網を外したという行動は、本当に素晴らしいものでした。意図的に助けたのか、あるいはザトウクジラの体調が良くないので狩りの対価として見合わないと考えたのでしょうか? どちらにしてもシャチはこのザトウクジラを今日は食べられないと判断し、マンボウ嫌がらせして賑やかな一日を過ごしていました。」

「まだこの出来事で頭がいっぱいです。シャチの行動は本当に驚きで、今回のツアーはずっと記憶に残るものになりました。」

ちなみに今回の映像を見た人々からは、「本当に知能が高い生き物」「動物が話せたらいいなっていつも思うよね」「動物って信じられないほど思いやりを持って行動するときがあるよ」「私たちも思いやりについて学びたいところだ」「このシャチを見習って、私たちも利己的にならないようにしないとね」など賢いシャチの行動に感心する声が多数寄せられた。

画像は『Whale Watch Western Australia 2022年1月10日FacebookDid Orca Rescue Humpback Whale?」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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