女優の永野芽郁が、2022年秋公開予定の映画「マイ・ブロークン・マリコ」で主演を務めることが分かった。同作は2019年に「COMIC BRIDGE」で連載され、翌年単行本化された平庫ワカの同名コミックが原作。タナダユキ監督がメガホンを取る。

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永野が演じるのは、鬱屈した毎日を送るやさぐれたOL・シイノトモヨ。これまでの清純派のイメージを封印し、タバコをふかし、荒々しい口調や態度で、泥臭く人間味溢れるシイノを表現する。

■映画「マイ・ブロークン・マリコ」ストーリー

鬱屈した日々を送る OL・シイノトモヨ(永野)は、テレビのニュースで親友・イカガワマリコが亡くなったことを知る。学生時代から父親に虐待を受けていたマリコのために何かできることはないかと考えたシイノは、マリコの魂を救うために、その遺骨を奪うことを決心する。「差し違えたってマリコの遺骨はあたしが連れて行く」とマリコの実家から遺骨を強奪、逃走したシイノは、マリコの遺骨を抱いて二人で旅に出る。

永野芽郁コメント

シイノ役のお話をいただいた時は、自分の中でも大きな挑戦だったので不安もありとても葛藤しましたが、全てを受け入れ一緒に乗り越えようと言ってくれたタナダ監督に、ついていきたいと思いました。「マイ・ブロークン・マリコ」という作品の世界観が私は大好きです。初めて原作を読ませていただいた日から虜です。その気持ちを大事に、リスペクトを込めて、日々体の芯が熱くなるのを感じながら、心から声を出しました。今までにない私を見ていただけると思います。完成が楽しみです。

■タナダユキ監督コメント

原作を読み終えた瞬間、何かに突き動かされるように、後先も考えず映画化に向けて動き出しました。自分自身漫画というものが大好きで、漫画の実写化には懐疑的な分、突き進むことでまた地獄を見ることも分かっていたのに、学習能力を瞬時に失わせる底なしの力強さが、この原作にはありました。それは、どうにもならないことをどうにかしようと、泣き、喚き、鼻水を垂らし、理不尽を酒で流し込み、流しきれない感情にまた翻弄(ほんろう)される主人公シイノの、その生き様に強い魅力を感じたからにほかなりません。

シイノ役には、絶対的な芝居の力はもちろんのこと、それとはまた別の魅力、重いテーマを軽やかに背負える、その俳優自身が持つチャーミングさも作品にとっては必要不可欠でした。そして、この人しかいないと思えたのは、永野芽郁さんでした。彼女ならば、シイノの衝動を、シイノの感情を、無様さを晒せる最高にかっこいいシイノというひとりの人間のデコボコとした魅力を、余すところなく表現できると感じたのです。

撮影していて、シイノとして生きる永野芽郁さんに心が揺さぶられる瞬間が幾度となくありました。シイちゃんが、確かにそこに生きていました。作り手としてこれ以上の喜びはありません。シイノの流した涙の後に見る世界が、少しでも美しいものであるように。そう願わずにはいられない、そんな作品を目指して、完成までもがき続けたいと思います。ご期待ください。

■平庫ワカ(原作者)コメント

撮影現場にお邪魔するとタナダ監督をはじめ多くのスタッフの方々がいらして、細かい部分に工夫の跡が見られる機材や小道具などがあり、映画という表現物の関わる人や動かす物の多さに改めて漫画で出来ることと映画で出来ることの違いを考えたりしました。透明人間になって一日中見ていたかったです。

タナダ監督から演出が入ると瞬時にニュアンスの変わる永野芽郁さんはじめ、皆さんの演技をモニター越しにではあるもののすぐそばで見ることが出来て、カットとアクションの間の空気も含めて胸に来るものがあり、何度も感動いたしました。やはり透明人間になってもっとそばで見ていたかったです。

映画が大好きなので、原作として映画の端っこにでも関われたことを光栄に思います。どう映像化されどう解釈されどう映画になっていくのか、とても楽しみです。

永野さんは、一見ご本人のイメージからかけ離れて感じるかと思うのですが、シイノのような人物像をきっと演じていただけるのだろうなという片鱗はこれまでご出演の作品の中にも垣間見えていたように思います。撮影現場で最初に演技中のモニターを覗かせていただいた時、そこに映ってるふてくされた少年のような女性が、永野芽郁さんだとはしばらく気付きませんでした。このシイノがどのように暴れる姿を私たちは見れるのかと、期待せずにいられないです。

永野芽郁&タナダユキ監督がタッグを組む映画「マイ・ブロークン・マリコ」が2022年秋公開!/※提供写真