フランス人俳優ギャスパー・ウリエルが現地時間19日、スキー事故により死去した。37歳だった。家族がウリエルエージェントを通じて明らかにした。

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「ABC」などによれば、ウリエルは現地時間18日の午後4時ごろ、家族や友人らと共にバケーションに訪れていたオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域サヴォワにある、スキーリゾートLa Rosiereスキー場でほかのスキーヤーと衝突。ヘリコプターでグルノーブルの病院に運ばれたが、翌日に死亡が確認された。

目撃者などの証言から、事故があったのは2本のスロープの合流地点で、ウリエルが友人らと合流するために分岐点で止まっていたところをほかのスキーヤーに衝突されたのではないかといわれており、2人とも雪の上に転倒。救急隊員が駆け付けた時には、すでにウリエルの意識はなかったが、相手のスキーヤーは病院に搬送されていないどころか怪我もしておらず、地元警察による検証が行われているという。

「The Sun」などによれば、当日の天候はよく、現場近くに岩などもなかった。しかし、雪の硬化でスロープは危険な状態になっており、数日間は複数の事故が発生する状況だったという話もあるようだ。スキー場では、強制ではないもののヘルメット着用が強く推奨されているが、多くのスキーヤーがヘルメットをしていないそう。ウリエルもヘルメットを着用しておらず、頭部の外傷が認められたという。

ファッションショーのプロデューサーの母とスタイリストの父の間に誕生したウリエルは、大学で映画を専攻し、学生時代から俳優としてのキャリアをスタート。90年代後半はフランスのテレビ映画などを中心に活動し、2002年から3年連続でフランスアカデミー賞と言われるセザール賞にノミネートされ、『ロング・エンゲージメント』(04)で有望若手男優賞を受賞。『たかが世界の終わり』(16)では、同賞の主演男優賞を受賞している。また、『ハンニバル・ライジング』(07)で若き日の殺人鬼ハンニバル・レクターを演じ、国際スターの仲間入りを果たした。

2010年からブルー ドゥ・シャネル・フレグランスの広告塔を務めたほか、3月30日からDisney+で配信されるマーベル社の「ムーンナイト」にも出演しており、まさに今後が楽しみな俳優だった。2013年から交際しているパートナーとの間に、来月で6歳になる男の子がいる。

ウリエル突然の死に、ファンや俳優仲間も衝撃を受けており、ジュリエット・ビノシュ、マリオン・コティヤールなど共演者をはじめとして、フランスの首相や文化省大臣が、約20年間の輝かしいキャリアと才能を称えると共に、未来のフランス映画界を担うはずだったウリエルの早すぎる死を悼んでいる。

文/JUNKO

仏俳優、ギャスパー・ウリエルが37歳で死去/写真:SPLASH/アフロ