幅広いジャンルで趣味の創作活動を楽しんでいるTwitterユーザーのアイウエヲさん。

 模型に、粘土造形、3Dモデリングに水彩画とその趣味は幅広く、10年以上の創作活動の中で、先日は新たな挑戦となった「ツリーハウス」をTwitterで公開しました。初めてのスランプを経て生み出されたという本作は、「人と人の繋がり」の重要性を再認識させてくれた作品でもあったそうです。

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 「ツリーハウス完成です。木、紙、花材など植物由来の素材からできています」と、新作「ツリーハウス」を公開したアイウエヲさん。その言葉通り、木を支柱にし、そこに階段と家屋を取り付けたジオラマとなっています。

 小屋はやや古びた外観となっており、見る人によっては「秘密基地」を想起するのではないでしょうか。アイウエヲさん自身も、同じ模型を趣味とする友人たちとの会話から、着想にいたったそうです。

 「私も友人たちもいい歳した大人ではありますが(笑)、それでも、思う存分趣味の話をしながら盛り上がるというのはかけがえのない時間です。子供の頃からの遊びの延長のように感じています」

 「そういった経験から、子供の頃の遊びの拠点としてあった『秘密基地』の大人版、『大人の秘密基地』があったらいいな、ということで『ツリーハウス』のイメージにたどり着いたんです」

 アイウエヲさんによると、本作のデザインや構造のヒントは、フランスにあるツリーハウス専門工房が手掛けた作品群。特に惹かれたのが「コンセプトアート(デザインイメージ)」だったといいます。

 「木と建物だけの必要最低限の要素のみ描かれていたんです。『建築のコンセプトアート』ですので、ある意味で当然なのかもしれませんが、そのシンプルさに美を感じました。シンプルであるが故に、『そこでの生活を自由に想像できる楽しさ』があることに気づきました」

 本作の制作においては、紙・木材・花材といった植物を原材料とした「天然素材」を主に使用されています。これは「脆さ」のデメリット以上に、本作最大の特徴でもある「造形美」のメリットを優先したため。また家屋に関しては、埼玉県にあるペーパーキットメーカー「梅桜堂」の紙素材キットを使用しているとのこと。

 さらに、手すり部分は持ち手のない楊枝(ようじ)にするなど、「木工アート」の一面もあるようです。作る上で一番苦労した点でもあったそうですが、一方で「仮に割れたりしても、それはそれで味になる特性を持った素材です。機会があればチャレンジしてもらえたら」と、「木工」についての魅力も語っています。

 なお、本作はアイウエヲさんにとっての「新挑戦」であると同時に、創作活動における「現状打破」でもあったそうです。

 「もう10年以上も模型活動をしているんですが、ここ最近は創作意欲がパタリと止まっていたんです。『スランプ期間』ですね。その時に本を読みあさったり、気になる場所を探索したりと試行錯誤をした中で、とある店の店主との会話で、『人と人が繋がる場』の重要性を再認識しました。現在はそれをテーマとして、創作活動を再開しています」

 そんな中で繋がったのが、友人たちとの交流。趣味の世界も時には「原点回帰」も必要なようです。

<記事化協力>
アイウエヲさん(@nanashi_san99)

(向山純平)

あったらいいな「大人の秘密基地」をカタチに 模型のツリーハウスで表現