舌・女性

30代でがん闘病が始まった女性。その治療として舌の半分を切除し、脚の筋組織と肌を使用して、失った舌半分の再建手術を受けた。『Dailystar UK』など海外メディアが報じた。


■最初は白い斑点だった

アメリカ・コロラド州に暮らすキャメロン・ニューサムさん(42)は、あるとき自分の舌に現れた白い2つの斑点に気づいたという。しかし痛みも特になく、検査ではがんの兆候が否定されたため、そのままにしていた。

ところが数ヶ月後には、舌が非常に敏感になるとともに痛みが出始めた。歯科を受診すると、何らかの感染症の可能性も考慮し抗生物質が投与されたが、症状は悪化し続けた。

そして当初は白い斑点だった部分が、ピンクの腫瘍の様相を呈してきたため、耳鼻科の紹介を受けた。それが舌にできた皮膚がんだと診断が下ったのは、2013年5月のことっだった。


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■3年を経て診断が確定

キャメロンさんは「皮膚がんの診断を受けた時、私はすでに飲食ができなくなっており、7ポンド(約3キロ)以上も体重が減っていました」「斑点を見つけてから診断まで、3年もの月日がたっていたのです」と振り返った。

がんの診断が下ったとき、「まるで死刑宣告を受けたような気分だった」とも語るキャメロンさん。しかし、すぐに「闘う準備はできている」と前向きになったそうだ。

■切除と再建の同時手術

3クールの抗がん剤治療を受け、キャメロンさんのがん細胞は手術が適応できるサイズまで縮小した。しかし、この段階ですでに舌の左半分は、ボロボロになっていたのだという。

手術のためテキサス州に飛んだキャメロンさんは、口腔外科医と美容外科医の両医師による執刀で、舌の切除と同時に再建手術を受けた。

通常は手首から肘までの筋組織や皮膚が使用されるというが、小柄なキャメロンさんの腕には再建に十分な量がなかった。そのため、太ももの筋組織と皮膚が使用されたそうだ。


■新しい舌で練習が必要に

手術後9週間は、体に残るがん細胞のすべてを叩く治療が続いたため、食事は半年ほど胃に通されたチューブから摂取したというキャメロンさん。新たに再建された舌を気に入っているものの、新しい舌で話し、噛み、飲み、吸う練習が改めて必要だったという。

再建された舌は歯茎につけられているため、舌の反対側でしかかむことも味覚を感じることもできない。しかし現在のキャメロンさんは「食事中ポロっと口からものが落ちてしまったりで、私のマナーは最低よ」と、笑顔を見せている。

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(文/Sirabee 編集部・原田パラン

がん闘病で舌の半分を切除した女性 太ももの筋組織と皮膚を使用し再建に成功