病室・病院

新型コロナウイルスに感染し重症化するも、瀕死の状態から復活して助かった女性。しかし今も短時間しか立っていられないこと、そのせいで困難に直面していることなどを、『The Mirror』などの海外メディアが伝えた。


■50代女性が新型コロナ感染

アメリカ・ミネソタ州で“給食のおばさん”として働いていたミシェルさん(56)が、昨年9月にワクチン未接種のまま新型コロナウイルスに感染。糖尿病の持病があったせいか重症化し、自宅で倒れて救急搬送された。

すぐに人工呼吸器が必要になったため別の病院に移ることになったが、そこも患者が多く「人工呼吸器が使えるのはあと1名のみ」という厳しい状態だった。


関連記事:「なるべく早くワクチン打ちに行く」 病床で接種を望んだ男性が新型コロナ死

■人工呼吸器を譲られ…

たまたま同じタイミングで、高齢の新型コロナウイルス患者が入院を予定していたが、機械が不足していると知るなり「僕はいい」「若い患者さんに使ってあげて」と辞退。そのおかげで人工呼吸器を使えることになったものの、ミシェルさんの容体は極めて深刻だった。

医師は「もう助からないかもしれません」と家族に伝え、家族も永遠の別れを覚悟した。しかしミシェルさんはどうにか危機的状況を乗り越え、一命を取りとめた。

■どうにか回復し退院

ミシェルさんは両肺にひどいダメージを負っていたが、少しずつ回復。発声・歩行訓練を経て退院したミシェルさんを出迎えたのは、「ワクチン接種を」と印字されたTシャツ姿の家族だった。

ミシェルさんの子供たちは、人工呼吸器をつけ横たわるミシェルさんの写真を一般に公開。「自分だけでなく、愛する人のためにもワクチン接種を」というミシェルさんのメッセージを、多くの人に届けたいと明かした。


■退院後も続く苦労

ワクチン反対派ではなかったものの、周囲に流され未接種だったというミシェルさん。退院後にワクチンを接種したというが、今も息切れがひどく、10分以上は立っていることもできない。

よって復職の目処も立たないことから、関係者たちはミシェルさんを助けようと、懸命に寄付を募っている。日本も第6波に突入し、毎日多くの新規感染者が出ている。今いちど気を引き締め、一丸となって感染予防に努めたい。

・合わせて読みたい→「希望したものと別の薬を投与された」 新型コロナ重症化した女性が病院を提訴

(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

「人工呼吸器は若いコロナ患者に」 高齢患者に救われた女性が退院するも前途多難