常にユーザーの「斜め上」をいくPOPのセンスで、長年愛され続けているヨドバシカメラ。赤や黄を基調としたお馴染みのPOPには商品や関連作品に関する知識はもちろん、流行や時事を取り入れた小ネタがふんだんに取り込まれているのだ。

以前ツイッター上では「あまりに予想外すぎる商品」のPOPが大いに話題となっていたのをご存知だろうか。


■これは予想外すぎる…

件のPOPが注目を集める切っ掛けとなったのは、昨年末頃、とあるツイッターユーザーが投稿した一件のツイート

投稿にはヨドバシ店頭で撮影されたと思しき写真が添えられており、そこにはヨドバシユーザーにとっては親の顔より見慣れたPOPの様子が確認できる。

ヨドバシカメラ

しかし注目すべきは、販売されている商品の内容。こちらは「おもちゃ」コーナーで撮影された写真のはずなのだが、店頭には『赤いきつねうどん』と『緑のたぬき天そば』のPOPが掲出されているではないか…。


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■一体、どういうことなのか?

件の写真が大きな話題を呼んだのは昨年末からのことなので、年越しそばとして購入するユーザーを見込んでいるのかな…と早合点してしまいそうになるが、じつは件のPOPはヨドバシによる熱烈な「ラブコール」なのである。

ラブコールの宛先は、ズバリ女性VTuberグループのホロライブ。もはや「VTuber」の括りに収まらない活躍ぶりを見せるホロライブだが、特にゲーム実況やプレイ配信には定評があり、中でもグループ1期生の白上フブキは、狐をモチーフにした愛らしいルックスと抜群のトークスキルで人気を博している。

そんな白上は昨年11月より、ゲーム『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド』にて「色違いポケモンのみを使用してプレイ」という縛りプレイを実施中。

ポケモン』の嗜みがある人ならば分かるかと思うが、同シリーズでは通常の配色とは異なる「色違いポケモン」が非常に低確率で出現する。例え色が違ったとしても能力に差が出ることはないのだが、色違いポケモンは出現すること自体が稀なため、これは十字架を背負ってゴルゴダの丘を前方倒立回転しながら上るかの如き、大変な苦行である。

実際、金色のコイキングを捕獲する耐久企画では、27日以上に渡って釣り竿を振るい、コイキングエンカウントし続けるという「エンドレスエイト」も真っ青な、狂気の極みとも呼ぶべき動画を配信しており、その本気ぶりと覚悟に心を震わされた視聴者は多数。

ヨドバシカメラ

白上のそうした努力はヨドバシの担当者の心をも動かしたようで、店内には「白上フブキ様の色違い ポケモン旅を応援しております」のスローガンが掲げられ、玩具売り場にも関わらず、狐キャラの白上を鼓舞するかの如く『赤いきつね』の販売を開始した…というワケなのだ。

なお、コイキングデフォルトカラーは赤色のため、前述の耐久配信時は通常色のコイキングが釣れる度に白上は「赤いなぁ…」とため息を吐き続けてきたワケだが、そんな因縁ある色の名を冠した商品をチョイスした辺り、ヨドバシのセンスはやはり抜群であると言わざるを得ない。さらに、同時販売されている『緑のたぬき』をよく見ると…。

■それにしてもヨドバシ、ノリノリである

これらの商品は「あぁ〜かいきつねみどりのたぬきぃ〜」という特徴的なフレーズのCMでお馴染みだが、ヨドバシはこちらのフレーズにもしっかり対応。注目を集めた2商品のPOPには、それぞれ「あぁ〜かいフブキと」「みどりのぽこべぇ〜」なるフレーズが使用されていたのだ。

「赤いフブキ」が白上のことを指しているのは一目瞭然だが、「緑のぽこべぇ」もホロライブへの愛情あふれるネタであり、元ネタはグループ6期生・風真いろはのお供である狸の「ぽこべぇ」となる。

一連の完璧すぎる流れはネット上で大きな話題となっており、ツイッターユーザーからは「ヨドバシ、仕事が早すぎだろ…」「この担当者とは美味い酒が飲めそうだ」「ヨドバシのこういうところが最高すぎる」などなど、反響の声が多数上がっていたのだ。

ちなみに店頭メッセージの内容は白上の配信に併せて日々変化しており、ヨドバシの仕事の早さには、ただただ驚かされるばかりである…。


■その他のネタでも仕事が早すぎる

仕事の早さとツボを押さえたネタ選出に定評のあるヨドバシは、年明け早々に『第72回NHK紅白歌合戦』と『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズに高度なパロディを加えたPOPを掲出し、大きな話題となったことも記憶に新しい。

果たして次回は、どのようなPOPでユーザーたちを楽しませてくれるのだろうか。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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