アイルランドの郵便局に、男2人が66歳男性の遺体を抱えるようにしてやってきて、死者の年金を請求するという驚くべき事件が発生した。
不審に思った郵便局職員が支払いを拒否したところ、2人の男は逃走。残された男性が死亡していることに気付いた職員は、直ちに警察に通報した。アイルランドメディア『RTE』などが伝えている。
1月21日の朝、アイルランド東部カーロウ県にある郵便局に、ある男性から「年金受給者の男性の代わりに、自分が年金を受け取りに行ってもいいか」という問い合わせがあった。
それに対し、郵便局職員は「本人立ち合いもしくは身内でないと渡せない」と答えたところ、午前11時半頃、30代くらいの男2人が年配男性の体を抱きかかえながら郵便局内へやって来た。
抱えられているのは、ピーター・ドイル(66歳)さんだ。
郵便局員にばれて男2人は逃亡
男2人は、ドイルさんの年金を支払うようにカウンター内の職員に要求したが、ジャンパーを着て帽子を被っていたドイルさんの様子がおかしいと思った職員は、ドイルさんに話しかけ、健康の安否を尋ねた。
しかし返事はなく、不審に思った職員は年金の支払いを拒否し、同僚に警告を伝えると、男2人はドイルさんを床に放置して逃走した。
・合わせて読みたい→フェイスブックで自分の死を偽装。葬式代をせしめようとした男性(タイ)
カウンターの外に回ってドイルさんに近付いた職員は、彼が死亡していることを知って驚き、すぐに警察に通報。
駆け付けた救急隊員や警察は、ドイルさんの遺体を郵便局から運び出し、自宅および周辺の捜査を開始した。
警察では男2人の行方を追跡中
地元住民らによると、ドイルさんは特に人に嫌われるようなこともなく、ごく普通の年金生活者だったそうだ。
報道では、ドイルさんを郵便局に連れてきた男の1人が、ドイルさんと顔見知りであったことが判明しており、警察ではこの男2人の行方を追っていることが伝えられている。
当時、ドイルさんが2人の男に抱えられるようにして郵便局に入っていく姿を、郵便局の隣に住む女性の娘が目撃しており、「年配の男性は両脚を地面に引きずっていたので、具合が悪いのかと思っていた」と話しているようだ。
・合わせて読みたい→写本の余白の書き込みから発覚。自分の死を偽装した14世紀の修道女(イギリス)
現在警察では、ドイルさんが郵便局に連れて来られた時に、既に死亡していたのか否かという点に焦点を置き、死因およびそれを取り巻く全ての状況を調査中だという。
カーロウのケン・ムルナン市長は、メディアの取材に次のように話している。
このニュースを聞いて大きなショックを受けています。私は、毎日この郵便局の前を通っているんです。いつも混雑していて、人が外に列を作っているような郵便局なんですよ。そんな場所で、このようなことが起こったというのは、ただショックでしかありません。ドイルさんの遺族に深くお悔やみ申し上げます。
このニュースを知った人からは、「これって詐欺をしようとしたってこと!?信じられない」「知り合いだったのならすぐに逮捕されることを願う」「こういう事件が起こることは本当に悲しい」「死体を郵便局に運ぶって…これ以上言葉が出てこない」「男性がお気の毒。早く犯人捕まえて!」といった声が寄せられている。
written by Scarlet / edited by parumo
コメント