23日にゴールした世界ラリー選手権開幕戦モンテカルロラリーで過去9度のタイトルを誇る大ベテランのセバスチャン・ローブ(フランス)がスポット参戦ながら史上最年長優勝を成し遂げた。48歳になる目前の47歳331日での勝利で、1990年のサファリラリーを勝利したビョルン・ワルデガルド(スウェーデン)の46歳155日を32年ぶりに塗り替えた。
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「本当に幸せな気分だよ。ここに来たときはこんな期待を全くしていなかったからね。いいファイトができたと」。シリーズ公式サイトなどによると、ゴール後はうれしそうにWRC自己通算80勝目を喜んだ。勝利は2018年のスペインラリー以来、実に4年ぶりだ。
12年に9連覇を果たし、第一線から退くことを表明したが、その後も年間数戦に絞って参戦している。今回は新車両規定「ラリー1」のハイブリッドカーのフォード・プーマを開発した名門のMスポーツからエントリー。
WRCに出場するのも2年ぶりだったが、同じハイブリッドのトヨタ・ヤリスやヒュンダイi20を見事に抑えた。3年連続9度目のシリーズ王者で総合2位に入ったトヨタのセバスチャン・オジエ(フランス)とのタイム差は10・5秒だった。
ちなみにイレギュラーで出場するようになってからは17戦4勝で、表彰台も7度獲得するなど、鉄人ぶりを発揮。サウジアラビアで1月上旬まで開催された世界ラリーレイド選手権開幕戦ダカールラリーでも2位に食い込み、大きな大会を「はしご」で参戦。チームやファンの期待に応えた。
ドライビングの才能は衰えを知らない。セミリタイアのはずが、ここまでさまざまな自動車関連大会に出まくっている。WRC、ダカールラリーだけでなく、FIA・GT、ポルシェカップ、世界ツーリングカー選手権、世界ラリークロス選手権などに挑み、昨年は電気自動車のスポーツタイプ多目的車(SUV)による「エクストリームE」に参戦した。
今季の出場スケジュールは全く白紙のようだが、期待がかかるのは11月に愛知、岐阜の両県を舞台に開催されるWRC最終戦ラリージャパンだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で過去2年は中止となった。ラリージャパンはローブが得意にしている舗装路でのラリーで再びMスポーツからオファーが届いてもおかしくない。
北海道で開催された第1次ラリージャパン(2004~08年、10年)では06年に総合優勝を飾っており、生のローブの走りを再び見たいという日本のラリーファンも多い。自身がつくった最年長勝利記録を更新できるかも見ものだ。
[文/中日スポーツ・鶴田真也]
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