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2月も短期的な大雪に注意が必要です。3月は寒気の影響は弱く今春の桜の開花も早まる可能性があります。

冬の前半の降雪や気温の状況 12/11~翌1/20までの実況より

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この冬の前半は強い寒気が断続的に流れ込んで、山間部や山沿いを中心に局地的に大雪となった所がありました。
一方の平野部に関してはどうでしょうか?
昨年度とこの冬の12/11~翌1/20までの同じ期間に関して降雪量や気温の実況値を比較しました。(令和3年5月19日から新平年値に変わり、新平年値の降雪量は前平年値比で福井が65%、金沢が56%、富山が66%、新潟が64%と大きく下方修正されました。昨年度とこの冬の比較を平年比や平年差で行うと生活実感と乖離することも予想され、ここでは実況値どうしでの比較としました。)
まず、降雪量は、4都市ともに昨年度より少なくなっています。特に新潟は昨年度の半分未満で雪國ブランドとしては実感としてかなり少ない降雪量と考えられます。最深積雪も北陸4県で最も少なく1/24までの実況ではわずか13センチにとどまっています。その一方、本年1/6には東京都心で最深積雪10センチの皆様の記憶に新しい記録が観測されました。
降雪が集中した時期は、旬別では昨年度は4都市ともに1月中旬となりましたが、この冬は12月下旬と1月中旬の2回に分かれるかたちとなりました。
次に寒さの一つの指標でもある、冬日(日最低気温が0度未満の日)の日数を見ましょう。
こちらは降雪量とは反対に、この冬は4都市とも昨年度より5日~6日増えています。以前、強い寒気必ずしも大雪とはならずの言及をしました。この冬も昨年度同様に寒さが実感される冬である一方、2021年の1月と比較すれば、幸い平野部での短時間のドカ雪(大雪)はまだ観測されていないとも言えそうです。

最新の三か月予報を踏まえた今後の天候経過

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本日、新潟地方気象台より、福井・石川・富山・新潟の4県を対象とした三か月予報が発表されました。
ポイントは2つあり、①は「月別の降雪量は2月と3月はほぼ平年並み」ということです。
この文言から日々の生活にどの程度の影響があるかを判断するのは容易ではありません。
仮に一ヵ月の降雪量の平年値が90センチの場合を想定しましょう。毎日3センチの降雪量が30日続くと月降雪量は90センチとなります。一方、一晩で30センチの降雪量が1ヵ月間で3回あった場合でも月降雪量は同様に90センチとなります。
両者は一ヵ月スパンでみればともに月降雪量90センチで平年並みとなりますが、生活への影響度合いは全く異なります。今後も強い寒気は強弱を付けながら断続的に南下することが予想されますので、後者の方が降雪パターンとしてより現実的であり、このあとも2月を中心に短期的な大雪への備えを続ける必要があります。今後も引き続き最新の天気予報最新の道路情報を参考に行動計画をたてて下さい。
もう一つのポイントの②は、「3月の気温は、寒気の影響が弱いため平年並か高い」ということです。
3月になると季節が順調に進むことが考えられます。花粉の飛散は既に始まっていますので花粉症の方は花粉飛散予測をもとに早めの対策が必要となりそうです。
多くの日本国民の関心事であるさくら(ソメイヨシノ)についてはどうでしょう。
近年、桜の開花は早まる傾向にあり、福井・石川・富山など北陸西部を中心に3月中の開花が多くなっています。
この冬の前半は強い寒気が断続的に流れ込み、厳しい寒さとなりました。このため、休眠打破はしっかり行われていると考えられます。開花の時期に大きく影響する3月の気温は、寒気の影響が弱いため平年並みか高い予想となっており花芽の開花は順調に進んでいきそうです。

北陸の冬はまだ終わらない 3月は一転 寒気の影響が弱く桜の開花が早まる可能性も