ケネス・ブラナーが製作・監督・脚本を務める映画『ベルファスト』より、場面写真が一挙解禁となった。

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 本作は、俳優・監督・演出家として映画や舞台の最前線で活躍し続ける北アイルランドベルファスト出身のケネス・ブラナーが、自身の幼少期を投影した自伝的作品。第46回トロント国際映画祭にて、最高賞にあたる観客賞を受賞。アカデミー賞前哨戦と言われる第27回放送批評界協会賞では最多11部門ノミネート、第79回ゴールデングローブ賞では脚本賞を受賞した。1月21日時点で、55映画祭33受賞195ノミネートを果たすなど、本年度の賞レース席巻している。

 本作の舞台は、1969年の北アイルランド ベルファスト。9歳の少年バディは、住民すべてが顔なじみで、まるでひとつの家族のような暖かさに包まれるこの街で、愛にあふれた完璧な日々を送っていた。しかし、突如、プロテスタントの暴徒が、街のカトリック住民への攻撃を始め、大規模な暴動が発生。この日を境に幸せな日常は奪われてしまう―。

 本作に自身の幼少期を投影したというブラナーは、9歳の少年バディの視点を通し、時代にほんろうされ様変わりしていく故郷の厳しい現実と、家族とともにそこで過ごした愛と笑顔と興奮に満ちた日々を力強いモノクロ映像で描き出した。あらがうことのできない変化に戸惑い葛藤しながらも、決してうつむくことなく、笑顔とユーモアを持って未来へと一歩踏み出す人々の力強さが、ノスタルジックで美しいモノクロ映像で映し出される。

 主人公となる9歳の少年バディを演じたのは、本作が長編映画デビューとなるジュード・ヒル。出稼ぎで家を空けがちな父を演じるのは、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の若富豪クリスチャン・グレイ役で一躍注目を集めたジェイミー・ドーナン。本作では、金にはだらしないが家族を愛し守り抜く強い父親だ。気丈で美しい母には、モデル・女優として活躍するカトリーナ・バルフ。厳しさのなかにセンシティブな一面を併せ持ちながら、母親として妻として家族を正しく導いていく。いつもユーモアと遊び心を忘れない祖父ポップを演じたのは、ベルファスト出身のベテラン俳優キアラン・ハインズ。バディの気持ちをくみ取り、ジョーク交じりで適切な助言を与える。静かに家族を見守る祖母グラニーには、世界的大女優のジュディ・デンチ。

 場面写真では、バディらが家族そろって映画を楽しむ美しい一瞬が切り取られた1枚や、両親が笑顔でダンスを披露する幸せな日常、祖父・祖母と共にはちきれんばかりの大きな笑顔を見せるバディの姿が切り取られている。さらに、激怒する母から必死で逃げ切ろうとするバディの姿を捉えた、思わずくすっと笑ってしまう場面写真も到着した。

 映画『ベルファスト』は、3月全国公開。

映画『ベルファスト』メイン写真 (C)2021 Focus Features, LLC.